「個人が記号で規定されず、ベストを尽くせるように」──メルカリ流、D&I施策の舞台裏

メルカリ版「Pride」ステッカー

「新たな価値を生みだす世界的なマーケットプレイスを創る」ことをミッションに掲げているメルカリ。創業時から“世界”を目指してきた同社の組織は年々、多様性を増し、グローバル化が進んでいる。現在、エンジニア組織の30%が日本語が母語ではないメンバーで、40か国以上から来たメンバーが働いているという。

「メルカリでは、社員一人ひとりが大切にしている3つのバリューが存在します。その中でも特に「Go Bold(大胆にやろう)」というのがあり、大胆に仕事をするにはまず子育てや介護、セクシュアルマイノリティなど、それぞれの事情を解決しなければならないと考えています。そのため、ダイバーシティ&インクルージョン(以下、D&I)の取り組みは非常に重要だと考えています」

D&Iの取り組みについて、こう語るのはメルカリD&Iチームの中心メンバーである鈴木万里奈だ。多様なバックグラウンドを持つメンバーが集まっているメルカリは6月28日、自社のサイトでD&Iに関するステートメントを発表した。


D&Iチーム中心メンバーの鈴木万里奈

みんなが平等なチャンスのもと、ベストを尽くせるように

このステートメントは「年齢、性別、性的指向、人種、宗教、障がい、その他、ここに書ききれないあらゆる記号によって個人が規定されることなく、平等なチャンスのもとで、それぞれがベストを尽くせる環境をつくりたい」という思いから作られたもの。

「あらゆるバックグラウンドを持つメンバーにフェアなチャンスを提供する」「多様なメンバーがポテンシャルを発揮し成長するための、学びの文化を創造する」「誰もが心地よく帰属意識を持ちながら働けるように、信頼し合える組織を整える」──メルカリのD&I施策はこの3つの柱に紐づく形で設計されている。

現在、メルカリにはD&Iチーム(部署)が存在し、現在は、専任でD&I施策に取り組むチームがあり、通訳・翻訳サポート、言語教育を実施するチームとともに、会社の土台を支えている。異文化理解や無意識バイアスの研修もその一環だ。
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文=新國翔大、写真=メルカリ提供

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