交通システムを3Dに。ウーバーが構築するマルチモードの交通システム
「空のタクシーは思っているより早く実現する」──6月11日、米ワシントンD.C.でウーバーが開催した「Uber Elevate Summit 2019」で、ウーバー・エレベート製品トップのNikhil Goelは述べた。
ウーバーは2009年に創業、翌年にタクシーの免許を持たない一般の人が、最寄りにいる移動したい人を自分の車に乗せるというライドシェアリングを開始した。米国では瞬く間に交通手段の1つとして定着。そのウーバーが数年前より進めるプロジェクトが空だ。
中核となるのは、2016年に立ち上げたウーバー・エレベート事業部。目標は2023年に空の移動サービス「ウーバー・エアー」を実現することだ。ここでは、ライドシェアリングで構築した”人の移動のためのプラットフォーム”を空に応用し、さらに陸と結びつける。CEOのDara Khosrowshahiは、「ウーバーはトランスポーテーションカンパニー」と述べる。ウーバーはこれにより、都市の交通渋滞という重要な問題を解決すると続ける。
Uber CEOのDara Khosrowshahi
都市に人口が集まると、人の移動が集中する時間帯に渋滞が起こる。日本に限らず世界の大都市は慢性的な渋滞に悩まされており、メキシコでは年間に移動に費やす時間は5週間──つまり12カ月のうち1ヶ月分を車内で過ごしているという。地下鉄やバスなどの公共輸送機関、自動車、自転車、そして徒歩という交通手段では、今後の人口増加に交通が対応できない、というのがウーバーの主張だ。