ヘリコプターのライドシェア「ウーバー・コプター」を7月スタートへ
今年のUber Elevate Summitでは、ウーバー・エアーの実現に向け、まずはヘリコプターサービス「ウーバー・コプター」の商用サービスを7月より米ニューヨークのジョン・F・ケネディ国際空港で開始することを発表した。当初はウーバーのロイヤリティプログラムの上級会員向けに開始する。ここでは、ヘリコプターサービスのHeliFlightと提携した。JFKからマンハッタンまで実質のフライトは8分程度、価格は200ドルから225ドルになると予想している。助手席を含め最大5人乗ることができ、これによりコストを抑える。
その先にあるウーバー・エアーでは、すでに計画を発表しているロサンゼルス、ダラスの2都市に加え、初の米国外の都市としてオーストラリア・メルボルンが発表された。ウーバーはグローバル展開を図るべく、東京、オーストラリア・メルボルン、フランス・パリなど5都市を検討してきたが、選択にあたっては、その都市の経済、気候、規制、ウーバーが使われているかどうかなどを考慮したという。「メルボルン」と発表されると、来場していたメルボルンの関係者から大きな拍手が沸いた。ウーバー・エアーを展開するにあたって、都市からの誘致とすることで規制やインフラ整備などの諸問題を早期解決していこうというウーバーの狙いが透けて見える。
その法規制では、今年のSummitの開催地にワシントンD.C.を選んだことが規制への働きかけを進めていることを裏付けるが、イベントでは運輸長官のElain Chaoを招待し、規制側と対話していることをアピールした。
Chaoは「トランスポーテーションにイノベーションが起こっている」として、ドローン、自動運転カー、民間ロケットなどでの米国のリードを強調するとともに、「運輸省が重要な役割を果たす」と釘を打った。
ウーバー・エアーなどの空のタクシーも新しいトランスポーテーションの一部となるが、省ではカウンシルを設けて、技術のレビューを行ったりテーマ別の作業部会を行う体制を整えているという。「問題に先んじるために、省は継続してUAS(無人航空機)オペレーターとの話し合いに参加している」とChao。だが、規制の見通しはまだのようだ。空のタクシーは夜間も生活圏の上を通る可能性があり、「FAA(連邦航空局)はどのような規制を適用するか、新たに作成するかを決定しなければならない」と述べた。