リアーナの資産の大半は音楽活動ではなく、仏高級ブランドグループのLVMHモエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトンとの提携により得たものだ。リアーナとLVMHは化粧品ブランド「フェンティ・ビューティー」を共同所有している。同ブランドは2017年9月、LVHM傘下のセフォラ店舗とウェブサイト「FentyBeauty.com」で発売され、瞬く間に成功を収めた。リアーナの知名度と7100万人のインスタグラムフォロワーに後押しされ、売上高は最初の数週間のみで1億ドル(約108億円)に達したとされている。
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他のブランドがファンデーションの色を一握りしか提供していなかった中、フェンティ・ビューティーは40通りもの色を取り揃えて差別化を図った。売り上げはうなぎのぼりとなり、発売からわずか1年3カ月となる昨年の売上高は5億7000万ドル(約620億円)と推定されている。フォーブスの推定では、LVMHは同ブランドの50%を所有、リアーナは15%を所有している。リアーナの代理人はこの推定を否定した一方で、詳細な説明は避けた。
バルバドスに生まれ、暴力的で薬物に依存していた父親や、2009年に世間をにぎわせた当時の恋人クリス・ブラウンによる暴行などの苦難を乗り越えてきたリアーナはまた、ランジェリーブランド「サベージXフェンティ」をテックスタイル・ファッション・グループと共同で所有しているほか、ツアーや楽曲発売といった歌手活動でも多額の収入を得ている。
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リアーナの事業は拡大を続けており、5月にはLVMHと共同で、高級衣料品や靴、アクセサリー、宝飾品を製造する新たなファッションブランド「フェンティ」の立ち上げを発表した。新ブランドは、フェンティ・ビューティーと同じくさまざまな人に向けたブランドを理念に掲げ、米国の基準で14(日本のXLに相当)までのサイズを用意している。フェンティはディオールやジバンシィといった著名ブランドと同列に位置づけられ、LVMHでは30年以上ぶりの大規模な新ブランドとなる。
Photo by Caroline McCredie/Getty Images for Fenty Beauty by Rihanna