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瞑想と意思決定との意外な関係

「瞑想」がビジネス上の判断力を向上させ、大きな投資ミスから組織を救う可能性があることを示す科学的証拠が上がり始めた。

瞑想は、経営トップのエリート層の間でますます人気の習慣になっている。「ニューズ・コーポレーション」のルパート・マードック、「フォード・モーター・カンパニー」のビル・フォード、「タッパーウェア」のリック・ゴーイングス、「セールスフォース・ドットコム」のマーク・ベニオフといったCEOたちが口をそろえて瞑想の効果を褒めそやしている。

管理職向けの「瞑想コーチ」たちも、この流行でマインドフルネスの手法や、心の中の騒音を鎮めて集中し、ストレスをコントロールするプログラムを導入している。

だが、最近の実例を見ると、瞑想はただ「気分が良くなる」習慣ではなく、たった15分の瞑想で「サンクコスト・バイアス」への抵抗力を強め、よりすぐれた、より有益な意思決定が実際にできるようになることが示されているのだ。

「サンクコスト・バイアス」は投資判断も鈍らせる

「サンクコスト・バイアス」。「サンクコストの誤謬」または「サンクコスト効果」としても知られているが、現代の組織に影響を与えるもっとも破壊的な認識バイアスのひとつと考えられている。

簡単に言えば、いったん投資をしてしまったのだからと、回収不能な「サンク(失われた)コスト」を取り戻すために、間違っているかもしれない方角に進み続けることだ。

これは、昨日今日に始まった現象ではない。心理科学者は1970年代半ばから「escalation of commitment(立場固定)」と言われる心理バイアスに注目していた。すなわち、過去に起こした行動の合理性が周囲の状況変化によって失われているにもかかわらず保持しようとしたり、最初の決断を正当化したいあまりに悪しき深みにはまる心理状態である。研究者たちは、「立場固定」が理論的思考をゆがめ、効果的な意思決定をねじ曲げることがあると指摘してきた。

これはしばしば無意識に取られる行動だ。例えば、「これは数百万ドルの資金が適切な投資だから」という理由ではなく、「すでに数百万ドル費やしてきたから」というだけの理由で、さらに数百万ドルをプロジェクトに費やすことなどだ。

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だがこの心理的なワナは、避けられるらしい。「瞑想を通じて心のバイアスを取り除く:マインドフルネスとサンクコスト・バイアス」という論文がある。これは、欧州経営大学院(INSEAD)で組織行動を研究するアンドリュー・ハーフェンブラック、INSEADの組織行動学准教授ゾー・キニアス、ウォートン・スクールの経営学教授シーガル・バルセイドの共同研究である。

翻訳=松本裕/株式会社トランネット 編集=石井節子

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