若者に引けをとらないスマホ中毒、ベビーブーマー世代

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何週間か前、アメリカ人がスマートフォンやパソコンの使用やテレビ鑑賞に費やすスクリーンタイムの1日平均時間についての報告を見て、私はショックを受けた(12時間以上なのだ)。また、スクリーンタイムが若者や子どもの心身の健康に与えていると思われるダメージについての記事も書いた。

ところが、最近になってさらに驚いたことがある。高年齢層のスマートフォンの使い方は、若年層のそれと大差ないばかりか、それによるメンタルヘルスへの影響もさほど違わない可能性があることを、新しいデータが示唆したことだ。

高齢者が暮らすコミュニティを全米で展開するプロビジョン・リビング(Provision Living)が、ベビーブーマー世代(1946年から1964年にかけて生まれた人々)とミレニアル世代(1981年から1995年にかけて生まれた人々)それぞれ1000人を対象に調査を実施。スマートフォンの使用について、両世代間の類似点と相違点を比較したところ、意外な結果が出た。

それによると、ベビーブーマー世代は、スマートフォンを1日平均で5時間を使っている。この数字は、ミレニアル世代の1日5時間以上という長さとほぼ同じだ。しかし、それよりも興味深いのは、スマートフォンを使って何をしているかという点だ。そして何よりも、それがメンタルヘルスにどう影響するかである。

いまは、「より接続されている」とはつまり、ひとりでデバイスを使う時間がより長いことを意味する。「つながる」という認識と、他人と実際にかかわり合いを持つことが、まったく別物になり得るのだ。



実際、プロビジョン・リビングのデータによれば、ベビーブーマー世代よりもミレニアル世代のほうが、昔のように電話をかけて友人や家族と話をする時間が長いという。

どちらの世代も、スマートフォンの使用中は、かなりの時間をソーシャルメディアに充てている。圧倒的に多いのがフェイスブックで、ともに1日1時間強だった。両世代で2位になったのはフェイスブック傘下のインスタグラムで、使用時間は1日1時間弱だ。
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翻訳=遠藤康子/ガリレオ

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