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ZOZO創業者の前澤友作(Getty Images)

ファッションEコマースサイトの「ZOZOTOWN」の運営元、ZOZO創業者でビリオネアの前澤友作は今年1月5日、ツイッターで総額1億円の「お年玉キャンペーン」を立ち上げ、世間を驚愕させた。

これは、ZOZOTOWNの新春セールが史上最速で取扱高100億円を突破したことを記念する企画。前澤のアカウントをフォローし、リツイートした人から抽選で100人に、100万円をプレゼントするというもので、このツイートは480万回リツイートされた。

しかし、ZOZOの株価は直近の12カ月で26%の下落となり、前澤は約7億ドル(約780億円)の資産を喪失した。フォーブスが4月11日に発表した「日本長者番付(Japan’s 50 Richest List)」で彼は、昨年の18位から22位に順位を下げ、現在の資産額は19億ドル(約2100億円)と推定されている。

ZOZOの発行株式の36%を保有する前澤は、1990年代中盤に輸入レコードやCDの通販事業を始動し、1998年にZOZO(当時の名称はスタートトゥデイ)を創業し、ファッションEコマースに参入した。ZOZOTOWNは現在、日本最大のオンラインファッション通販サイトの1社となり、直近の通年売上高は980億円を突破した。

現在43歳の前澤は昨年9月、2023年に月に向かう宇宙ロケット「スペースX」の全座席を、非公開の金額で購入したことで注目を浴びた。前澤はアートの収集家としても知られ、2017年にはジャン=ミシェル・バスキアの絵画「Untitled」(1982年)を123億円で購入した。

一部のアナリストは、前澤の世間との関わり方が投資家の心理に悪影響を与えたと指摘する。「ZOZOに対する信頼度は下がっている」と言うのは、JPMorganの東京支社でエグゼクティブ・ディレクターを務めるDairo Murataだ。今年2月に前澤は、しばらくツイッターの更新をやめ、会社の経営に専念すると宣言した。

ZOZOの広報担当は、「前澤のツィッターは個人のアカウントであり、会社の意見を代表しているものではない」と述べつつ、「皆様の意見は重要です。様々な貴重な声を今後の企業運営に活かしていく」と話す。

近年のZOZOの最大の失敗となったのが、ストレッチ素材を用いた採寸用ボディスーツの「ZOZOスーツ」だ。2017年11月に無料配布がアナウンスされたZOZOスーツは当初、センサーを内蔵し、着用してスマホをかざすと体の寸法が瞬時に採寸できる機能を持っていた。

しかし、2018年10月の決算発表で同社は、技術や費用の面で量産が難しいことを理由にZOZOスーツの配布を中止すると発表。その後1月には、2019年3月期の業績を下方修正し、純利益が昨年4月時点の予想(280億円)を36.4%下回る、178億円になる見通しであると発表した。同社が減益を記録するのは、2007年の上場以来で初となる見込みだ。

また、新たに導入した値引きサービスもアパレルメーカーの反感を書い、一部のメーカーがZOZOTOWNから離脱した。

しかし、困難な状況下にあってもZOZOは市場での強固なポジションを活かし、いずれ業績を立て直すとJPMorganは予測する。JPMorganによるとZOZOTOWNは現在もなお、日本のファッションEコマース市場の売上シェアで、22%近くを維持している。

編集=上田裕資

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