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ラスベガス発 U.S.A.スプリット通信

ジョー・バイデン(Getty Images)

1970年にデラウェア州ニューキャッスル郡の郡議会議員として政治生活をスタートした前副大統領のジョー・バイデンが、2020年の大統領選に再突入した。

たった2年の郡議会議員経験で、1972年にいきなり上院議員に当選したバイデンは、当時はジョン・F.ケネディどころではない、まちがいなく20世紀最高のハンサム議員として知られ、その人の好さやスピーチのうまさからアメリカで最も親しまれた議員のひとりだった。

その後、選挙は連戦連勝。得票率も2位の倍近い数字で圧倒すると、12年後の1984年には民主党の大統領候補として名乗りをあげる。当時42歳の若さで、まさにケネディを想起させたし、議員からの支持も少なくなかった。しかし、結果は0.03%の得票で撃沈。その4年後、再挑戦するが、ここでも0.05%の票で、大統領選への挑戦は成らなかった。

途中で辞退するならまだしも、党の全国大会の投票まで進んで2度落選すれば、普通はその後の選挙には出ないのが暗黙のしきたりになっているアメリカだから、この後のバイデンの政治家人生は、上院議員として続くと目され、事実、その後の上院議員選挙では勝ち続けた。つまり、この人は、地元では無茶苦茶強いのだが、全国区ではからきし弱いのだ。

バイデンの出馬はジョーク?

ところが、20年後の2008年、夢をあきらめきれないバイデンは再び大統領選に挑戦。今度は途中で候補者選から撤退したが、民主党の大統領候補となったバラク・オバマの指名を受けて副大統領候補となり、選挙にも勝った。

アメリカの副大統領は、実はほとんど権限がなく、「いざというときのための存在」でしかないことはよく知られている(但し、ジョージ・W・ブッシュ大統領のもとで「史上最強の大統領」と言われ、湾岸戦争の際に強権を行使したディック・チェイニーなどの例外もある)。

大統領は、引退後も終生シークレットサービスの警備がつき、予算が与えられて秘書がつくが、副大統領にはその一切がない。要するにただの人なのだ。74歳になって、副大統領職を降りたバイデンは、ただの人となり、「バイデンがもしかしたら大統領選に出馬するかも」、というのは、ほぼジョークとして語られてきたのだ。

ただ、こんなジョークが飛び出すのも、それほどに民主党では候補が乱立し、空前の混戦模様となっていたからだ。ヒラリー・クリントンという選択肢を失った民主党は、強力なトランプへの対抗馬擁立に苦戦しているのが現実だ。

とはいえ、本当にバイデンが出ると思っていた人はいない。アメリカの政治史上、2大政党から大統領選に4回も出た人はこれまでにいない。ましてや、最初の挑戦から36年も経て、大統領をめざした人間はいない。

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