明るい側面
それでも、バークシャーの投資に関する最終的な分析においては、まだ2つの明るい側面が残されている。
まず、バフェットのビジネス・パートナーであるチャーリー・マンガーが指摘するとおり、たとえクラフト・ハインツが失敗例のように見えたとしても、(合併前の)ハインツに対する投資は、明らかに成功だったということだ。
次に、優良な事業でも投資しすぎれば問題が起きることは確かである一方、基本的に良くない事業に投資する方が、より大きな問題だとバフェットが考えていることだ。
バフェットによれば、資産の中には長期的に見てほとんど価値のないものもある。
クラフト・ハインツは期待したほどの成長は見せていないものの、その保有する複数のブランドの質は維持されており、それらが持つ長期的な価値は変わっていない。
お粗末な事業に投資した場合に被る不利益は、優良なビジネスに過剰に投資した場合の不利益を大幅に上回ったものになり得る。
ウォーレン・バフェットのような偉大な投資家でも、間違いを犯すということだ。
どのようなものであれ投資には、それに見合った適正な価格というものがある。それを大きく超える金額を投資すれば、たとえ対象が素晴らしい企業であっても、良い投資にならない場合がある。
(本記事の内容は情報の提供を目的としたものであり、投資に関するアドバイスとなることを意図したものではない)