特許出願件数でも急伸の中国、2年後には世界トップの予測

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テクノロジー分野での中国の存在感の高まりは、特許の出願件数にも現れている。世界知的所有権機関(WIPO)が発表した2018年の特許の国際出願件数では、中国が21%を占め、米国に次いで2位にランクインした。

米国のシェアは2017年に29%だったが、2018年は22%まで減少した。「現在の勢いが続けば、中国の特許出願件数は2年以内に米国を追い抜くことになる」とWIPOのガリ事務局長は分析した。今から7年前の中国の出願件数は世界で7位だった。

WIPOによると、2018年の世界全体の出願件数は9年連続で増加し、25万3000件に到達。中国を含むアジアからの出願が51%で、史上初めて過半数を突破した。中国は9.2%増、インドは27.2%増、韓国は8%増だった。日本は前年と変わらず3位につけ、増加率は3%だった。

「イノベーションの中心地は西側諸国からアジアに移りつつある」とガリ事務局長は述べた。

企業別では中国のファーウェイが前年に続いて1位で、2018年の出願件数は5405件だった。2位には自動車の制御技術などに注力する三菱電機が入り、2812件。3位のインテルが2499件、4位のクアルコムが2404件、5位のZTEが2080件だった。

2018年に米国立科学審議会(NSB)が発表した、世界の科学・工学分野の論文数でも中国は米国を抑えて、史上初めて1位に立った。2016年に発表された中国の論文は42万6000本、米国は40万9000本だった。

近日発売される筆者の著書「Tech Titans of China」は中国のテクノロジーの先進性にフォーカスした内容だ。モバイル決済やモバイルコマース、AI(人工知能)やEV(電気自動車)、自動運転、ドローンといった様々な領域で、中国企業はイノベーションの最先端に立っている。

編集=上田裕資

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