退職後の外国暮らし、適正を判断するための重要なポイント

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米国の50歳以上の国民のうち、およそ40万人が現在、外国で生活しているという。隣国であるカナダに住む人もいれば、インドなどの離れた国で暮らす人もいる。

退職後の移住先として検討する人が多いのは、メキシコや中米の国だ。だが、ポルトガルやスペイン、タイ、マレーシアなどの欧州やアジアの都市以外にも、退職した米国人が数多く移り住んでいる都市がある。

ただ、全ての人に外国暮らしが向いているわけではない。パナマとポルトガルの住宅価格をインターネットで比較する前に、考えてみてほしいことがある。

1. 家族との関係は?
両親が年を取ったとき、あなたは近くにいる必要があるのではないだろうか?例えば何か特別なことがあるときや、緊急の事態が生じたとき、家族はあなたを頼りにするのではないだろうか?そうだとすれば、短時間で家族のもとに駆け付けられる場所を選択するべきだろう。

2.「少数派」をどう思う?
外国に移住すれば、あなたの顔や話す言葉、習慣は少数派のものとなる。そのことをどう思うだろうか?

地元の人たちは優しくて親切かもしれない。だが、あなたと話すために外国語を学んでくれるわけではない。行動についても、人との接し方についても、変わらなければならないのはあなたの方だ。

3. 譲れないものは?
住む国が変われば、多くのことが変わる。次の事柄について考え、あなた(そして一緒に移住するかもしれない人)がこれらをどのように受け止めるか、評価してみる必要がある。

安全─あなたはドアに鍵がかかっているかどうかが常に気になるタイプだろうか。唐辛子スプレーやその他の防御用の武器を持ち歩いているだろうか。また、夜一人で外出することに不安を感じるだろうか?

政治体制─社会主義や共産主義の国で快適に暮らせるだろうか。独裁国家はどうだろう?

対米感情─あなたがどのような人か、どの国の出身かについて否定的な態度を取る人がいる環境を問題なく受け入れられるだろうか?

自然災害の可能性─ハリケーンや竜巻、洪水、地震、噴火の脅威がある地域で生活した経験があるだろうか。これらの脅威がある場所でも、快適に暮らせるだろうか?

医療─あなたはどのくらい健康だろうか。健康状態を常に監視しておく必要があるだろうか?

言語/コミュニケーション─移住先の国で、重要な問題について十分に話し合えるだけの語学力があるだろうか。外国語を学ぶ意欲はどの程度あるだろうか?

アクセス─頻繁に帰国したいと思う、または帰国する必要がある状況だろうか。また、気楽に旅ができるタイプだろうか?

娯楽や芸術─米国のテレビ番組やオペラ、交響楽団、美術館、劇場はあなたにとって、どれほど重要だろうか。慣れ親しんだこれらの娯楽が簡単に楽しめなくなることを、受け入れられるだろうか?

買い物─「トレーダー・ジョーズ」のようなスーパーや、「ノードストローム」などの百貨店、「ターゲット」のような大規模小売店で買い物ができることは、どれほど重要だろうか。欲しいものをすぐに買えなくなることは、あなたにとっては問題にならないだろうか?

インフラ/テクノロジー─24時間365日いつでも電力が供給されていることは、どれほど重要だろうか。インターネットの通信速度や、いつでも通話ができることはどうだろうか。これらはあなたの仕事に必要なものだろうか?

外国での生活が自分に向いていると思うなら、十分な時間を使って、快適に暮らせる家を探してみよう。季節が違う時期に何度か足を運んでみるのがいいだろう。また、その国での暮らしが自分に向いていることを確信できるまでは、現在の人間関係を全て断ち切ってしまわないようにすることが大切だ。

編集=木内涼子

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