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台湾とアジア地域に関するあまり知られていない話題をカバー

グーグルとHTCの合同記者会見(2017年9月撮影、Getty Images)

グーグルは昨年3月、台湾で300人を雇用し、5000人の学生にAI(人工知能)関連のプログラム講座を提供するとアナウンスした。そのニュースが伝えられたのは、グーグルが台湾のHTCのスマホの製造部門の一部を買収し、従業員2000人を吸収した直後だった。

グーグルは、さらに台湾での人材獲得に注力する模様だ。3月26日に同社は中国語のブログの記事で、台北郊外に来年新たなオフィスパークを建設し、現状の2000人の現地従業員を2倍に増やし、AI部門の取り組みに注力するとアナウンスした。

台湾はグーグルにとって様々な面でメリットがあるとアナリストは話す。「台湾はアジア地域のハブとして機能する」と台北のエコノミストのTony Phooは述べた。「日本や韓国と比べ、台湾は労働コストや生活費用が安いことも利点だ」

台湾を重視する背景には、ハードウェア部門を強化したい狙いがある。現地にはエイサーや、ASUSなどのPCメーカーが多く、そこに拠点を置くことでこの分野の人材へのアクセスが容易になる。

グーグルは現在、台湾の6都市に拠点を設けているが、新たに数百名を雇用する計画だ。台湾でのプログラマーの賃金は月額1000ドルから2000ドルで、他のアジアの先進国と比較すると大幅に安い。

さらに、台湾の大学は、毎年1万人のコンピュータサイエンスを学んだ卒業生を送り出している。労働コストの点では中国も台湾の競合になり得るが、中国での雇用は知的財産権の保護の面でリスクがある。

さらに、中国には米国の制裁関税が課されている点も、製造業にとってはマイナス要因だ。「台湾の労働者のパワーは、他の国では置き換えられないものだ」とグーグルは述べた。

「HTCの製造部門を傘下に収めて以降、当社は台湾をアジア最大のR&D拠点に位置づけている」と、グーグルのハードウェア部門、シニアバイスプレジデントのRick Osterlohは述べた。

グーグルのハードウェア部門の責任者が、このような発言をしたことで、同社の意志がさらに明確になった。ガートナーの台北支社のTracy Tsaiは、台湾のPCメーカーや電子基盤メーカー、半導体メーカーらが今後、グーグルのハードウェアの重要部分を担うと予測する。

カウンターポイントのアナリスト、Ethan QiはHTCが今後もグーグルのパートナー企業であり続けると述べる。Qiは今後、グーグルの台湾オフィスが5G対応のデバイス開発を行い、VR(仮想現実)対応機器の製造を始動すると見ている。

「台湾はテクノロジー分野の有望な投資先としてのポジションを保つだろう。台湾にはハードウェア分野の知識に長けた人材が豊富で、世界をリードするサプライチェーンが整備されている」とQiは続けた。

編集=上田裕資

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