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フォーブス ジャパン編集部 エディター

ネットフリックスが新たに公開したツール「Script」の作業画面

どれだけの資金を投じ、どんな作品が新たに公開されるのか──ネットフリックスはしばしば、コンテンツ企業として語られることが多い一方、意外と多くの人に知られていないのが“テクノロジー企業”としての一面だ。

なぜ、ネットフリックスは毎日のように新しい作品を公開できるのか。理由のひとつに、新たなテクノロジーを制作現場に導入し、生産性の向上に取り組んでいることが挙げられる。これまで数十年の間、制作現場では紙を中心としたコンテンツ制作から脱却できない背景もある。これにメスを入れようという考えだ。そのためのツールとして、同社が立ち上げたのが制作現場用アプリエコシステムの「Prodicle(プロディクル)」だ。

これは新たにウェブ・ベースのモバイル・ソフトウェア技術をクリエイティブ制作環境に導入するもの。ネットフリックスは2017年、試験的に制作のワークフローや毎日の作業スケジュールを、制作に関わる人たちがアプリで一括管理できる「Move」を開発。試験運用を重ねた後、2018年に本格的に制作現場に導入し、管理作業の低減を図っている。



そして2019年現在、Prodicleの取り組みはさらに発展を遂げ、制作現場の効率化を推し進めているという。同社が見据える、未来のコンテンツ制作のあり方とは何か。

2019年3月18日、19日の2日間にわたってロサンゼルスオフィスで開催されたネットフリックスのプレスツアー「Netflix Labs Day 2019」。スタジオ・テクノロジー ディレクターのエイミー・トーニンカサ、 プロダクト・コンテンツ・エンジニアリング ディレクターのクリス・ゴスが登壇した、“Empowering Production with Technology” のセッション内容をお届けする。

最大限に創造性を発揮できるよう、作業を取り除く

「コンテンツ制作の現場はいまだにアナログです。例えば、台本を配る作業。これは印刷したものをファックスで送り、それをスキャンしてデータ化し、Googleドライブにアップロードしなければなりません。これが当たり前の作業となっているため、効率的にやり取りする方法も考えない。テクノロジーが全く活用されていないんです」(エイミー)

冒頭、エイミーはこのようにコンテンツ制作現場の課題を語り出した。昨今、あらゆる産業、業界でデジタル化が進んでいるが、映像・放送業界は“紙”を使ってやり取りをするのが日常茶飯事。アナログな環境で仕事することを余儀なくされている。

これは何もハリウッドに限った話ではなく、世界中のコンテンツ制作現場では“紙”を中心としたコミュニケーションが一般的。日本でも台本は紙でやり取りされており、内容に変更があった場合は、修正されたものが新たに印刷され再度、配られる。

文=新國翔大

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