ビジネス

2019.03.16 13:00

学校の先生だって学びたい、でもその機会が少ない。これも地域格差問題だ

(Andersen Ross Photography Inc / Getty Images)


では、飛行機ではどうだろう。県庁所在地である大分市から別府湾を隔てた国東市の大分空港までは、大分自動車道~空港道路(高速)を使った空港バスで1時間ほどかかる(運賃は往復券で2600円片道1300円)。大分→成田を格安ジェットスターで最安値4990円(1時間35分くらい)として成田エクスプレス成田→東京片道3020円(1時間)でたどり着く。
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トータル片道9310円ほど、時間は4時間ほどかかると思われる。往復1万8620円ならJRよりかなり安いが、便が1日1~2往復で限られる。JALやANAなら便が多いが当然運賃は高くなってしまう(通常運賃だと往復8万円ほど)。

まとめてみると、大分から東京は、往復で約2~8万円、時間にして約8~13時間かかるのである。

ここまで来ると、すでに気軽に参加できる「無料セミナー」ではなくなってくる。
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これもやはり地方と大都市の格差(ギャップ)に他ならない。

大分で無料セミナーに参加すればよいのに。そういう人もいるだろう。確かに地方でもいろいろな教育系のセミナーやイベントが行われるが、首都圏・大都市で開催される数と比較してやはり圧倒的に少ない。特に最先端の小学校プログラミング教育に関するものとなると、ほぼない状態である。

そんな中、先日大分市内で私が講師を担当したプログラミング教育の講座には、大分県内からだけでなく熊本・宮崎・鹿児島県から日帰りで参加する人もいた。近く開催する予定の同講座にも、すでに福岡・熊本・高知県から参加申込がある。ニーズは間違いなくある。

このように地方には、大都市で行われるようなセミナーやイベントに行きたくてもいけない先生方がたくさんいる。現在のネット環境であれば、ZoomやSkypeを使ったオンラインセミナーができるのではないか、という意見もあろう。しかし、人は人と面と向かって対することで得るものが多い。だからオンラインよりオフラインで参加する教育系セミナーへのニーズが絶えないのである。

大都市にだけ目を向けるのではなく、それら地方の先生方が気軽に参加できるセミナー・イベントに講師派遣し「地方で開催」してみてくれないだろうか。きっとそこには、「大都市以上の数の先生方」との新たなつながりが生まれ、そこに新たな教育市場が生まれるだろう。

今後の連載では、他にも見られる教育の「地方格差などによって生じる損失」の例を取り上げていきたい。

文=望月陽一郎

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