同サービスを運営するSATORIは2019年2月27日、総額12.2億円の資金調達を実施したことを発表した。引受先となったのはインキュベイトファンド、SMBC ベンチャーキャピタル、TIS、キャナルベンチャーズ、その他の事業会社。SATORIはこれまでにフュージョンパートナー、個人投資家から資金を得ており、累計の調達額は合計15億円となる。
今回調達した資金をもとに、SATORIは次の4年での3000社導入を見込み、匿名客へのアプローチ機能(アンノウンマーケティング)の強化、カスタマーサクセス、パートナー連携を加速させていくという。
このラウンドでSATORIに出資した、インキュベイトファンドの赤浦徹は同社に懸ける期待について、つぎのようにコメントした。
「植山社長のデジタルマーケティング業界における深い知見と経験を元に、徹底してユーザー目線に立って開発を続ける『SATORI』にかける情熱は並々ならぬものがあります。また、『あなたのマーケティング活動を一歩先へ』というビジョンを実現する車の両輪である、カスタマーサクセスへの全社一丸となった取り組みにより、『SATORI』は国産MAツールとして確固たる地位を築き始めております。今回共に出資させて頂いた他の株主の方々のお力もお借りしながら、今後も共にさらなる事業成長を目指して参ります」
解約率は単月1%以下、カスタマーサクセスにこだわり続ける
矢野経済研究所の調査結果によれば、2022年には530億円の市場規模に成長するなど、右肩上がりで拡大しているマーケティングオートメーション市場。ここ数年で、さまざまなツールが登場し、競合も増えてきている。
そうした中、SATORIの植山浩介は「私たちはプロダクトの会社」と言い、創業からの4年間、プロダクトの磨き込みにこだわってきたという。
例えば、「SATORI」はデータベースの設計・導入作業をする必要がなく、ウェブサイトに計測タグを埋め込むことですぐに運用を始めることができる。そのほか、実名のリード顧客だけでなく、匿名リード顧客のデータも管理・蓄積できるため、匿名リード顧客へのアプローチからの実名リード顧客の獲得強化も可能だ。
「SATORI」の展開において、こだわった点は他にもある。パートナー戦略とカスタマーサクセスだ。TISや博報堂プロダクツ、エムエム総研といった企業とパートナー連携し、顧客のあらゆる課題に対応できるようにしている。
カスタマーサクセスについては導入直後、導入1カ月後、導入3カ月後の3段階に分けてフォローアップミーティングを実施。そのほか、ハンズオンセミナー、オンラインサポート、動画コンテンツ、コミュニティ、有償サポートなども行なっている。
こうした取り組みにより、「SATORI」は4年で400社以上に導入されているにもかかわらず、解約率は1%以下だという。
今後、SATORIは新たに100 社のパートナーを募集し、さまざまな企業規模に対応できるようにするほか、カスタマーサクセス体制を強化。現在の10名から、2年以内に50名まで増員する予定だという。
「業界内ではある程度、MAツールが絞られてきた。今後2年で1000社、4年以内に3000社まで導入企業数を増やし、まずは国内の顧客ニーズに徹底的にこたえたいと思います」(植山)