サル・カーン(カーンアカデミー創業者)
その仕事は50年後の世界に何をもたらす?
世界最高峰の頭脳とエンジニアが手がける、無料オンライン教育NPO「カーンアカデミー」。世界の誰もが無料で教育が受けられるシステムを構築し、EdTechの先陣となった。1976年生まれのサル・カーンは、MITとHBSで学び、金融機関を経て2006年に創業。
グーグルなどで働くトップティアのエンジニアたちが、ストックオプションもなければIPOもない、資金はVCでなく慈善家から調達するこのNPOに数十人規模で参画する。
「営利企業をつくることもできた。グーグルみたいなね。たぶん1億人にリーチできたと思う。だけど、それが50年後の世界に何をもたらすか、だ」。
ドリュー・ハウストン(ドロップボックス創業者)
徹底した「コラボレーション」。
Dropboxの社内カルチャーはそのサービス同様、徹底した「コラボレーション」であることが知られている。ハウストンは言う。
「最速で動いて破壊する、といったテック界の典型カルチャーはここには存在しない。チームが徹底して助け合うこと、“私”ではなく“私たち”を考えること。チームプレイヤーではない場合、結果を出してもここで成功するのは難しい」。
フォーブスの表紙を飾った2011年、同社は本格的に企業向けサービスを開始。同年の売り上げは2.4億ドル、15年は6.4億ドルと急成長を続け、18年3月に111億ドルでIPOを果たした。
リチャード・ブランソン(ヴァージン・グループ創業者兼会長)
ビジネスは、楽しむものだ。
1970年にブランソンが興した中古レコードの通販会社はいまや、映画館、航空旅行、鉄道、金融などを含む世界的なコングロマリットに成長した。ヴァージン・グループの最大の特徴は、事業の99%が、買収ではなく一からつくられていることだ。ブランソン曰く、
「Virgin Moneyの場合はやや例外。私たちはすでにちゃんとした金融サービス企業をつくっていたけれど、銀行の評判が悪い当時、倒産した銀行を買い取った。とても上手くいったけれど、一から何かを始めることはなによりも楽しい」。
ヴァージン・グループの成功の根幹は「楽しむこと」だとブランソンは言う。
「ビジネスは楽しむものだという考えが、ビジネスの慣習に逆らっていることは知っている。多くのビジネススクールでは、DCF法や割引現在価値などについて教えられ、ビジネスでは勤勉さが強調されている。でも、ビジネスには“楽しさ”が必要だ。突き抜けた挑戦を成功させるのは“楽しさ”なのだ。楽しければ強い情熱に繋がり、楽しさへのこだわりが顧客に恩恵をもたらすから」。