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I write about human rights and leadership in a global context.

Photo by Amal KS/Hindustan Times via Getty Images

米国での性的指向や性自認に関連する人権問題は、過去ほとんど類を見ないほど急速で大きな世論の変化と進展を見せてきた。当初の歩みこそ遅かったものの、ここ20年余りの進歩は迅速かつ劇的なものだった。

一方、世界での進展は非常に厳しい状況だ。72カ国では特定の性的指向や性自認が犯罪とされ、うち8カ国では死刑が科されている。そうした国々の多くでは、指導者らが性的少数者(LGBTI)の国民に対する暴力を防ぐどころか、自ら加害者となっている。

例えば、国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウオッチ(HRW)によると、ロシアのチェチェン共和国では2017年から、ラムザン・カディロフ首長の下で治安当局が「同性愛者に対する粛清」を開始した。

HRWによれば、チェチェン当局は「ゲイと疑われる男性数十人を拘束し、非公式な勾留施設に数日間にわたり収容し、恥辱を与え、食事も与えず、拷問を加えた」。男性らの中には行方不明となった人や、暴行を受けて息絶え絶えの状態で家族の元へ戻った人もいたという。

先月にスイス・ダボスで行われた世界経済フォーラム(ダボス会議)では、こうした人権侵害行為の規模と深刻さを受け止めた世界の大手企業7社が『世界のLGBTIの平等に向けたパートナーシップ(Partnership for Global LGBTI Equality)』を立ち上げた。

これは、グローバルサプライチェーン内を含む全従業員の人権擁護に取り組むようグローバル企業に呼び掛ける数年越しのキャンペーンで、グローバル企業各社が事業展開先の国々にある性的指向関連の過酷な法律や慣習に対し異議を唱えるよう促すものだ。発起人となったのは、アクセンチュア、ドイツ銀行、EY、マスターカード、マイクロソフト、オムニコム、セールスフォース・ドットコムの7社だ。

こうした問題が世界の外交の場で話題に上がることは、最近までほとんどなかった。転機となったのは、2011年12月、ヒラリー・クリントン米国務長官(当時)がジュネーブの国連支部で行った演説だ。

クリントンは「同性愛者の権利と人権は全く別のものだという人もいる。しかし実際には、両者はひとつで同じものだ」と宣言。「女性であること、あるいは人種、宗教、部族、民族の面で少数派であることと同じように、LGBTであるからといって人間性が損なわれるわけではない。よって、同性愛者の権利は人権であり、人権は同性愛者の権利だ」と断言した。

編集=遠藤宗生

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