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 昨年から、日本に関する国際会議では、ほぼすべてで女性問題が取り上げられ、女性に関する国際会議では、日本のケースが話題となっている。これは、歓迎すべき動きである。なぜなら、あまりに長い間、日本では女性のできる社会貢献が過小評価されてきたからだ。世界経済フォーラムの2013年度国際男女格差レポートによれば、日本は、男女格差指数で136カ国中105位であり、男女間の平等については、先進国の中で最低である。

 安倍政権が、社会における女性の活躍推進を日本の再興戦略の中心に据えていることは、評価されるべきである。その取り組みは、9月に東京で開かれた「女性が輝く社会に向けた国際シンポジウム(World Assembly for Women(WAW!)」などの活動を通して、国際的に注目を浴びている。しかしながら、注意すべき点もある。こうした広報活動と実行の間に乖離が生じ、過大に伝わると、公約が実現しなかった場合には、失望がより大きくなるということである。

 例えば、WAW!の提言の一つには、次のような項目がある。「異次元の働き方変革を実行する:長時間労働をやめ、生産性の高い柔軟な働き方を実現。ワーク・ライフ・バランスから、自らの意思で選択するワーク・ライフ・マネジメントへ」。これは、「言うは易く、行うは難し」の課題である。そのような「異次元の働き方変革」を行うためには、日本人(とりわけ男性)の働き方を根本的に変えなければならない。例えば、各企業や組織で、インセンティブの構造や人事評価制度を、「プロセス、努力、かかった時間」ではなく「業績・成果」で昇進や報酬を決めるように変更する。また、40歳を超えた日本の男性の間で依然として行われている、「人間関係」や「浪花節」に頼って仕事をする慣行を変える必要もあるだろう。これは、一朝一夕で可能な変革ではなく、1~2年の時間でもかなり難しいといえよう。

 WAW!では、次のような提言も出されている。「両立支援策を拡充する:女性が働きやすくなるよう、また、子育てや介護を行っている家族により多くの選択肢を与えるために、ホーム・ケアの活用を促進する」。日本の低出生率、人口減、高齢化を踏まえれば、ホーム・ケアを十分に行うためには、外国籍人材に頼るしかない。それにもかかわらず、外国籍人材を短期の専門職や、長期在住者としていかに労働力として貢献してもらうかについて、これまで国を挙げて議論されたことはない。実際、現在の日本における「反外国人感情」は、このところ強くなっていると指摘する向きもある。

 提言のもう一つには「経営トップがコミットする:目標を明確に、アクションプランを実行し、アカウンタビリティを高める。これをサポートする女性活躍推進法案の策定を支持する」とある。これは、主にビジネス界に向けられたものだと思われるが、前述の男女格差レポートにおいて日本は、「女性の政治的活躍」の分野で135カ国中118位、「議会における女性」の分野では120位となっている。新しい安倍内閣の閣僚のうち5人が女性なのは事実であるが、職場での女性活躍推進の先頭に立ってきた人は、ほとんどいない。これまで女性の権利拡大を自ら実践してきた女性をリーダーシップの取れる地位につければ、必要な改革が推進され、後に続く女性のロール・モデルとなり、前向きなステップになる。

 WAW!の提言では、日本で「男女の区別のない社会制度」を実現するうえでの主要な障害の多くを指摘しており、高く評価されるべきである。しかしながら、いまは提言よりも、実施と実行の時である。1986年に男女雇用機会均等法が施行されてから、30年近くがたっている。出生率低下による人口減、高齢化という人口問題を抱えている日本には、そのほかにも競争力向上を妨げる要因があり、女性に完全な平等を認めるのに、さらに30年もかける余裕はない。

グレン・S・フクシマ

 

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