「音響パルスを用いたイメージ認識によるデバイス入力」と題されたこの特許には、ディスプレイ内蔵型の指紋リーダーが描かれ、スクリーンのどの部分に触れても認証が可能であるとされている。
AppleInsiderによると、この指紋センサーはディスプレイの下に音波を送受信するトランスデューサーを埋め込み、指紋の形状を音波によってイメージ化するという。
この指紋センサーは、クアルコムが開発した超音波を用いて指紋の3Dマップを作成するテクノロジーと類似したものと考えられる。ディスプレイ内から超音波を発射し、指紋の形状を認識するこの技術は、従来の指紋センサーよりも速い速度で、より正確な認証が可能になる。サムスンが今月発表するGalaxy S10には、この指紋センサーが用いられている。
しかし、サムスンのGalaxy S10の指紋センサーは、ディスプレイ上の特定のエリアに指を置く必要があり、直感的な操作性という面では課題を抱えている。さらに、アップルがこのテクノロジーを実装する際には、誤タッチを無視するために先進的なアルゴリズムを開発する必要がありそうだ。
ただし、アップルが新たな指紋センサーの搭載で得る最大のアドバンテージは、デュアル生体認証の実現だ。指紋認証と顔認証を組み合わせることで、iPhoneのセキュリティは格段に高まることになる。
アップルは以前から、iPhoneが将来的にパスポートやIDカードに置き換わるデバイスになると宣言しており、2要素の生体認証によってその夢に一歩近づくことになる。また、日常的な使用においても、最高水準の指紋認証と顔認証が利用できることは、Phoneユーザーに、これまで以上の快適さをもたらすことになる。
アップルが今年発売する新端末は、5G接続に対応せず、デザイン面でも進化の見られないものになるとされている。そんな中で、同社はなんとかライバルに差をつけ、消費者の興味を引きつけたいはずだ。
サムスンは今月、超音波式指紋センサーを搭載した端末を発売する。アップルが人々の想像よりも早く、この最新トレンドに追いつくことに期待したい。