ビル・ゲイツは20代の頃一度、「ソフトウェアのことを考える邪魔になる」という理由で音楽を聞くのもテレビもやめたがその後、瞑想の方が集中には効果があると気づいた。今では「1回10分、週に2、3回瞑想をしている」と自らのブログに書いている。
ほかにも、経営者では稲盛和夫氏、政治家ではビル・クリントンやヒラリー・クリントン、アルゴア、トップアスリートではイチロー選手やサッカーの長谷部誠選手、マンチェスターユナイテッドの選手たちなども取り入れているのが、瞑想だ。
ブッダはインドに古くから伝わる瞑想術で悟りを開いたとも言われているが、そんな瞑想のメッカ、インド(Forbes India)から、エグゼクティブ・コーチングを手がけるバブナ・ダライ氏による記事「Meditation made easy for corporate leaders(企業リーダーたちのための手軽な瞑想)」の翻訳許諾を得たので、以下掲載する。
私がコーチングを依頼される中で、瞑想を始めようとするエグゼクティブたちがまず口をそろえて言うのは、「自分は本当は瞑想するようなタイプではないが……」だ。とかく神秘性を含むイメージがある瞑想には抵抗を感じながらも、多くの効果事例が公表されるようになったためか、定期的に瞑想することのメリットを感じるリーダーが増えてきているのだ。
エグゼクティブ・コーチングの際にはもちろん、企業上層部の人材の多くが瞑想の一番「正しい」方法を知りたがる。
だが、瞑想を始めるのに実は正しいも間違いもない。重要なのはただ一つ、「自分にとって正しいと思える」方法を採用する、つまり「カスタマイズする」ことだ。
ここでは、私がコーチングの際に密室で教えている方法をこっそりお教えしよう。
カスタマイズ瞑想のための6つのポイント
瞑想を始めようとする多くの人が、静かに座わり、雑念を追い払うためにいきなり自分自身との闘いに挑もうとする。
だが実は、これでは逆に、雑念が猛烈な勢いで戻ってくるだけだ。
まず理解しなければならないのは、私たちのほとんどは、最初からは「瞑想の達人レベル」に到達できないということ。かのスティーブ・ジョブズも、「瞑想は修練だ」と言っている。
同時に、「瞑想ができない運命」の人など、結局のところ1人もいない。要は、自分に一番合った始め方を見つけること。瞑想の習慣を始めようとする際、特に初心者なら、以下を考慮することが重要だ。
1. 動機をカスタマイズする
そもそもなぜ瞑想したいと思ったのか。その動機をクリアにする必要がある。たとえば心を静めるため、もっとリラックスするため、あるいは仕事で一見解決不可能に思える問題を解決するアイデアを思いつくため、または単に、何かに感謝の気持ちを伝えるため──。理由を書き出してみるもいいだろう。
2. 誘導瞑想で導入をカスタマイズする
誘導瞑想は、瞑想初心者にはもっともお勧めの方法だ。誘導瞑想の音声は、5分単位から数時間のものまで、幅広く手に入る。サブリミナルCDなどもある。重要なのは、「自分にとって一番効果的なもの」で、瞑想状態への道筋をカスタマイズすること。まずは短いものから始めて、少しずつ長くしていくこともできる。