持続可能性に焦点を当てるカナダ金融情報誌コーポレート・ナイツ(Corporate Knights)がまとめる同ランキングは、世界各国の大企業を炭素や廃棄物の削減、経営陣の男女比、環境に配慮した商品からの収益、全体的な持続可能性といった指標に基づき順位付けしたもの。15年目となる今年は、年間収益10億ドル(約109億円)以上の約7500社が審査対象となった。
今年1位となったのは、デンマークのバイオ企業クリスチャン・ハンセンだ。ヨーグルトや牛乳といった食料品の保存に使える自然な方法の開発や、殺虫剤ではなく自然界に存在するバクテリアを利用した穀物の保護、動物用抗生物質の代替品といった事業が収益の8割以上を占めている。
コーポレート・ナイツ誌の共同創刊者で社長のトビー・ヒープスはフォーブスに対し、クリスチャン・ハンセンが1位になったのはいくぶん予想外であり、1874年創業の同社は知名度が比較的低いと語った。「同社は消費者向けの企業ではないが、毎日おそらく何億人ものカロリー摂取に大きな影響を与えており、人々が消費する食品をより安全にしている」
コーポレート・ナイツ誌の調査によると、同社の取締役の3割近くが女性で、最高経営責任者(CEO)の給与は一般社員の平均の約24倍と、ランキング入りした企業の中では比較的低かった。
2位は仏ケリングで、「グッチ」や「イヴ・サンローラン」、「アレキサンダー・マックイーン」などの傘下ブランドの名の方がよく知られている企業だ。ヒープスによれば、同社は商品の40%以上を持続可能性が認証された供給源から調達することで、持続可能性に対して真剣に取り組む姿勢を示してきた上、その割合をさらに増やす方法を常に模索している。
同じく特筆すべきなのは、取締役の6割以上が女性であることだ。女性取締役の比率は大半の大企業で2割未満となっている。“ガラスの天井”は同社では「完全に砕け散っている」とヒープスは指摘する。