同居している親は、子供の携帯電話の請求書や、自動車のローンや保険料の支払いをやめるべきだ。一部を援助してあげることもやめた方がいい。食料品の買い物も、自分の分は自分で買いに行かせ、公共料金も何割か負担させるべきだ。
30代になった子供(なかには40代もいるはずだ)は、小遣いをもらうには年を取りすぎている──そうは思わないだろうか?
計画を立てさせ、自立させる
アパートを借りることは、そうした子供たちにとっては一大事だ。保証金と入居する月の家賃の支払い、家具の準備、公共料金の支払いなどについても考えなくてはならない。
子供の方は、それらに圧倒されてしまうかもしれない。その場合は親が相談に乗り、引っ越しの日を決めてもいいだろう。また、親は子供が保証金を準備できるよう、励ましたり、場合によっては強制したりする必要があるかもしれない。
もし子供が働いているなら、特にこうした行動を取る必要がある。子供たちは成長し、いずれかの時点で、どうすれば責任ある大人になれるかを学ばなければならない。
親が子供の「ATM」であるのをやめることは、子供が親元を離れるための第一歩となる場合が多い。ただ、引っ越しをさせるためなら、アパートの保証金を払ってあげることも価値があるかもしれない。
それでも、部屋を借りる際の連帯保証人にはなってはいけない。また、毎月の家賃を援助してもいけない。老人ホームに入った後も、親が子供の生活を支えることになってしまいかねない。
同居の「うまみ」をなくす
就職し、実家で暮らしている子供については、家賃を払ってもらうことで問題のいくつかを解消できる可能性がある。家賃を払わなければいけないなら、一人で暮らした方がいいと考えるようになるだろう。
寛大な親なら、子供から家賃として徴収したお金を、引っ越すときの保証金や家具のために貯金しておいてあげてもいいだろう。子供の老後のために貯蓄しておく親もいるかもしれない。一方、子供から離れるために、そのお金で旅行をしたいという親もいるかもしれない。どう使うかは親次第だ。
子供が友だちを連れて来るたび、フェイシャルマスクを付けてガウンを着た姿であいさつするなど、子供に恥ずかしい思いをさせてやるのも一策だ。家事を分担して多くを子供に任せたり、門限を決めたりしてもいい。
成人した子供の生活のために、親が生涯、自らを窮地に陥らせる必要はない。親は自分のクレジットカードの請求書の支払いをして、自分の老後のために貯蓄をすればいい。
そして、健康でいることだ。そうでなければ数年後には、親が子供の家のソファで寝起きしていることになるかもしれない。ただし、それは親が幸運ならの話だ。状況をいま変えておかなければ、子供を頼りにはできないだろう。