上位10位に入った企業は以下の通り。
1位 ベイン・アンド・カンパニー
2位 ズーム・ビデオ・コミュニケーションズ
3位 イン・アンド・アウト・バーガー
4位 プロコア・テクノロジーズ
5位 ボストン・コンサルティング・グループ
6位 リンクトイン
7位 フェイスブック
8位 グーグル
9位 ルルレモン
10位 サウスウエスト航空
従業員は公平な扱いを受けたり、互いへの敬意が払われたりする職場を求めている。従業員が自分は大切にされていると感じられる組織文化を生み出すことが、企業にとっては重要だ。
34位に入ったマイクロソフトのリンジー・レイ・マッキンタイア最高多様性責任者(CDO)は、さまざまな従業員を受け入れる文化の醸成に向けた同社の取り組みについてこう説明する。
「ここ数年にわたり、無意識な偏見についての研修、育児休暇の拡大、『差異を超えた対話(Dialogues Across Differences)』などの没入型体験、8つの従業員リソースグループ(ERG)と40の従業員ネットワーク(EN)の支援・成長の継続などのプログラムを通じて、より包括的な環境の構築に一層専念してきた」
多様性研修や、育児休暇制度の拡充、そしてERG導入がもたらす効果についての研究結果は多く、他の会社もマイクロソフトを見習うべきだろう。マッキンタイアはまた、マイクロソフトが多様性と包括性に関する目標の達成にコミットしていると述べている。
「当社は2016年、役員報酬を社内の多様性と包括性の目標にひもづけ、上層部に対しあらゆるレベルでの多様性向上についての責任を持たせた。これには、社員を定着させる戦略も含まれる。私たちは、あらゆるレベルで包括性の目標を業績評価に組み込むことで、従業員が目的意識とやる気、責任のある企業文化の一端を担うことを推奨している」
多様性と包括性の目標を個人の業績評価に結びつけることにより、責任意識が生まれる。役員に責任を持たせる会社は、多様性目標の達成に成功しているとの調査結果もある。
多様性と職場の質との関係
多様性と包括性、そして職場の質の間に関係があることは明らかだ。フォーチュン誌が先日公開した2018年の「最も多様性に優れた職場」ランキングでは、グラスドアの最高な職場ランキングとの間で一定の一致が見られた。
両ランキングともに30位に入ったアドビでは、さまざまな従業員を受け入れる文化を築く一つの方法として、人材パイプラインを活用している。同社は「歴史的黒人大学(HBCU)」とされる各校と提携し、コンピューターサイエンスや工学を専攻する学生にその門戸を開き、双方向型の会社訪問を提供している。
同社はまた、テクノロジー分野で活躍する女性に焦点を当てる「グレース・ホッパー会議」に女性社員を参加させている。さらに、勤続年数の長い社員やその家族に対して、ストレスの管理や軽減を目的とした支援グループやカウンセリングサービス、無料瞑想セッションなど、多くのリソースを提供している。
「最高」の職場を作り、すべての従業員を受け入れる環境を生み出すためには、同じ特徴を持つ人々が集まる場となるERGの創設や、業績目標と多様性目標の関連付け、平等かつ他社に劣らない育児休暇などの制度の導入、従業員向け多様性研修といった施策が必要だ。