米国の女性にとって最高の職場は? フォーブス初のランキング発表

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#MeToo運動が全米の職場に衝撃を与えてから9カ月がたった今、多くの企業の文化がゆっくりと反応を示し始めている。女性が重視する平等な賃金、昇進の機会、家族休暇などの面でのサポート強化に苦心している組織が多い一方で、以前からしっかり対応してきた組織もあるようだ。

フォーブスは、市場調査企業スタティスタ(Statista)と共同で、米国の女性にとって最高の雇用主を順位付けした初のランキングを作成した。スタティスタは従業員数1000人以上の企業で働く4万人の米国人(うち女性2万5000人)を対象に調査を実施。回答者が自由に意見を述べられるよう、調査はすべて匿名で行われた。

回答者はまず、労働条件、多様性、自分の職場を他者にすすめるかといった基準に従って、自分の働く組織を評価した。集計に当たっては、性差が回答に影響を与える可能性も加味した。例えば組織の多様性に対しては、女性が厳しい評価を与える一方、男性は高く評価する傾向がある。スタティスタはこれを考慮し、各組織のスコアを調整した。

次に、女性の回答者を対象に、家族休暇、差別、賃金の平等性などについて雇用主を評価してもらった。さらに回答者には、自分の働いている業界以外に属する組織を推薦するよう求めた。最終ランキングには、推薦を多く受け、幹部のジェンダー多様性も高かった300の雇用主が入っている。

ランキングには意外な組織も入った。例えばグーグルは昨年、同社でエンジニアを務めていたジェームズ・ダモアによる男女間の能力差に関する文書が公開されたことで、ネガティブな注目を集めたが、17位に入っている。

1位になったのは、投資管理・保険企業のプリンシパル・ファイナンシャル・グループ(本社アイオワ州デモイン)だった。同社は米国で9978人を雇用し、うち59%が女性だ。柔軟な勤務時間、妊娠時のサポート、社内保育所など、女性にとって魅力的な制度や、平等性に対する姿勢が、女性従業員の流出防止に貢献している。

同社では、全従業員に公平な職場を実現するため、毎年すべての給与体系を見直し、従業員が給料に関する懸念を匿名で報告できる「倫理ホットライン」も用意している。また、女性の昇進を促進するため、リーダーシップ、テクノロジー、営業の3分野で女性専用ネットワークを立ち上げた。S&P500企業の平均では、管理職における女性の割合はわずか26.5%、役員では21.2%だが、同社では管理職の42%、役員の45%を女性が占めている。
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編集=遠藤宗生

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