これは、昨年を130億ドル上回る金額だ。アドビは11月1日時点で、今年のホリデーシーズン(11月1日から12月31日まで)のEコマース売上が、1241億ドル(約14兆円)に達すると予測していた。
今回のアドビのデータで興味深いのは、1回あたりの平均購入金額が最も高い州がアラスカ州で、2位がカリフォルニア州、続いて、ワシントン州(3位)、ニューヨーク州(4位)、ワイオミング州(5位)の順になっていることだ。
これは2つの観点からみて面白いデータだ。カリフォルニア州やニューヨーク州、ワシントン州は富裕層が多い地域であり、裕福な人々のほうがEコマースの支払い額が多いことは以前から知られていた。
しかし、アラスカ州やワイオミング州は人口密度が低く、リアル店舗へのアクセスも悪い特徴がある。この地域でのEコマース消費が多いのは、ネットで買い物をするほうが店に足を運ぶより便利だからという理由もある。また、1度にまとめ買いを行う場合も多いため、消費額が伸びている。
1回あたりの平均支払額は、アラスカ州がトップで166ドル、2位がカリフォルニア州で165ドル。ワシントン州とニューヨーク州は160ドルとなっていた。ワイオミング州は158ドルだった。
アドビによると、アラスカ州での支払額が高いのは、配送料を節約するためにまとめ買いを行う消費者が多いのも原因だという。また、売上の増加を牽引しているのは、モバイルで、前年度比で55%の増加になっていた。
アドビのアナリスト、Taylor Schreinerは「小売業者らはモバイルへの投資からのリターンを獲得している。今年は、現時点で昨年を84億ドル上回る売上が、モバイルからもたらされている。対照的に、デスクトップからの売上の伸びは、昨年を38億ドル上回る水準となっている」と述べた。
米国ではEコマースで購入した商品を店舗で受け取るクリック&コレクト型のサービスが広がっており、小売業界はこの施策で消費者を店舗に向かわせることに成功している。