留学生の入学申請を人工知能(AI)を使って支援するウェブサイト、アプライボード(ApplyBoard)のマーティン・バシリ最高経営責任者(CEO)は自身も元留学生だ。こうした英語圏の国(特に米国とカナダ)に優秀な教育機関がそろっていること、プログラムの選択肢が広範に用意されていることが、このトレンドを生んでいるとバシリは述べた。また、教育を受けた後に就業経験を積む機会があることも魅力となっている。
近年、米国など人気の留学先では留学生の数が減っている一方、カナダでは増えている。それはなぜだろう?
米国における留学生の数は、大半の国と比べてもはるかに多い、しかし最近は、学生ビザの制約が厳格化していることを受け、成長率は伸び悩んでいる。
米国の大学院では大体、5人中約1人が留学生だった。しかし、米国土安全保障省のデータを分析した米国政策財団(NFAP)によると、学部・大学院における留学生の入学者総数は、2016年の84万160人から2017年にはは80万8640人へと減少し、4パーセント近く下がっている。
また、高等教育に関するニュースサイト、インサイド・ハイアー・エド(Inside Higher ED)が委託した調査によると、大学の入学事務局局長のほぼ75%が、米国ではトランプ政権の政策により留学生の関心を引くことが難しくなったと答えている。
またオーストラリアでは近年、安全面の懸念が生じているし、英国でも移民政策は厳しくなっている。こうした要因も、カナダへの留学生が増えている背景にあるだろう。
カナダにおける留学生の数は2015年から17年の間だけで40%以上増加し、2017年の留学生の学費・滞在費、その他支出などを合わせたカナダ経済への貢献額は、190億ドル(約2兆1600億円)近くに上った。カナダ経済の輸出部門で、教育分野は上から4番目だ。カナダは最近、49万4000人の留学生を迎え、2022年までに留学生数を45万人にするとした目標を早々と達成している。
留学生の関心を引くために、カナダが行っていることとは何だろう?
ほとんどの留学生は、開放的で安全、歓迎される国というカナダの評判を既に知っているが、同国は近年、門戸開放型の政策にさらに力を入れ、大学院生の就業許可や永住権を得る機会を提供してきた。口コミは、留学先を決める上で大きな影響力を持つため、こうしたカナダの取り組みは非常に重要なものだ。