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I write about emotionally intelligent leadership and education.

寄付で入学したと有名なジャレッド・クシュナー(Photo by Zach Gibson - Pool / Getty Images)

大学の入学審査官が、大学につながりのある一族の入学を優遇する「レガシー・アドミッション」には、常に不透明さや論争がつきまとってきた。ハーバード大学がアジア系米国人に差別的な入学審査を行っているとして起こされた訴訟では、上位1%の富裕層がいかにして子どもをエリート校に入れているかに光が当てられた。裁判で明らかにされた内部の電子メールからは、ハーバード大運営者らが裕福な寄付者や卒業生の子どもを強く好む傾向にあることが明らかになっている。

レガシー・アドミッションは、この訴訟で焦点となっているような優遇措置を表現する上でいささか誤解を招く言葉だ。ハーバードの卒業生である祖父を持つことと、大学に最近図書館を寄贈した祖父を持つことの間では、大きな違いがある。

どちらも志願者の役に立つが、前者の方はどちらかというと入学率を考えた上での優遇措置だ。つまり、ハーバード大は、入学を許可した学生には実際に入学してほしいと考えており、卒業生の子どもであればそうなる可能性は高いということ。一方、後者のシナリオでは、こうした子どもの入学を許可すれば、大学はほぼ確実に多額の寄付を得られるとみなされ、志願者は「学部長の関心者リスト」に入ることができる。

このリストに載るためにどれくらいの寄付が必要なのかは分からない。しかし、トランプ大統領の娘婿、ジャレッド・クシュナーはハーバード入学前、卒業生ではない父親が同校に250万ドル(約2億8000万円)を寄付していたという話は有名であり、これから大体の額は予想できるだろう。

裁判で提出された文書によると、2010年から2015年までのハーバード入学者の9.34%が、「学部長の関心者リスト」や、入学事務責任者によって作成される同様の名簿「ディレクターのリスト」に載っていた。

米紙ニューヨーク・タイムズが昨年発表した調査結果では、2009年ごろに同校に入学を許可された生徒のうち、年収が上位1%の富裕層の出身者は15%、年収が上位0.1%の最富裕層の出身は3%だった。このことから、学部長の関心者となった志願者はその大半、あるいは全員が1%の富裕層出身と考えてよいだろう。

編集=遠藤宗生

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