FDAのスコット・ゴッドリーブ長官 は、「残念なことに、アメリカでゴマアレルギーに対する懸念が高まりうる兆候が見られるようになった。たとえば、国内のゴマアレルギーの有病率は0.1%を超えており、大豆ならびに魚アレルギーの有病率と同程度であることが、一部の研究で示唆されている」と述べた。
アメリカの公益科学センター(CSPI) などは2014年、主要食品アレルゲンにゴマを加えることを求めた市民の嘆願書をFDAに提出した。CSPIの推定によれば、アメリカでは30万人から50万人がゴマに対してアレルギーを持っている。わずか100mgのゴマでアレルギー反応が起きてしまう人もいるという。
カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、EUでは、食品ラベルにゴマをアレルゲンとして表記することがすでに義務づけられている。カナダ保健省は重大アレルゲンのひとつにリストアップ、EUは主要アレルゲン14種のひとつとしている 。CSPIは、こうした国々ですでに表記が義務づけられていることから、アメリカで企業に食品ラベル変更を求めても、さほど負担にならないはずだと指摘する。
FDAがゴマを主要食品アレルゲンのひとつに含めれば、製品にゴマが含まれていることを明記することが義務づけられるほか、製造中に二次汚染の危険性がある場合もその旨を表記しなくてはならなくなる。ゴマアレルギーを持つ人にとっては、買い物や料理がラクになるだろう。