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2018.11.07 12:30

米アマゾンが無料配送の対象を拡大 競争激化の圧力高まる

Jonathan Weiss / Shutterstock.com

クリスマス商戦の本格化を前にした米国では、互いに大きなリスクをかけた小売各社の戦いが激しさを増し始めている。

アマゾン・ドット・コムは無料配送を開始した2002年以来初めて、米国内で最低購入金額の規定を設けず配送料をゼロにするサービスを開始した。同社は通常、有料の「プライム会員」以外は、25ドル(約2800円)以上の買い物をした場合のみ無料配送を行っている。

新たなサービスは、11月5日からクリスマス向けの配送が完了するまでの期間限定。プライム会員向けにはこの間、即日配送の対象商品を通常の約100万点から300万点以上に増やす。

これらのサービスは、競合する米小売大手ウォルマートやターゲット(Target)などが「ラストマイル(配送拠点から受取人の玄関先まで)」のサービス強化に力を入れるなかで、アマゾンが打ち出した次の一手だ。

無料で翌日配送を行っているウォルマートとターゲットは、「アマゾンのように119ドルの年会費を払わなくても、プライム会員と同様のサービスを利用できる」として、顧客の呼び込みに力を入れている。

例えばウォルマートは、スタートアップのデリバー(Deliverr)と提携し、自社のサイトに出品する第三者が販売する商品の翌日配送を無料で行っている。第三者の数を増やすことはウォルマートにとって、自社サイト上で取り扱う商品の数を増やし、顧客にワンストップ・ショッピングの利便性を提供する上で重要だ。

ウォルマートはまた、即日・翌日配送を手掛けるパーセル(Parcel、2017年に買収)が配送する商品専用のフルフィルメント・センターを、ニューヨーク市のブロンクス地区に開設している。主な顧客層として都市部のミレニアル世代を狙う傘下のオンライン小売サイト、ジェット・ドット・コム(Jet.com)を通じて販売した商品を、注文から3時間以内に届けるサービスも行っている。

一方、ターゲットは一部店舗で、11月1日~12月22日の期間限定で無料の翌日配送サービスを開始した。同社は通常、35ドル以上の買い物をした場合の配送料を無料としている。
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編集=木内涼子

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