IMGでは、従業員の75%は女性で、全社リーダーシップチームでも女性の割合は76%だ。アイゼンは、男性中心の業界かどうかによらず、女性が管理職になるよう力を与えることは非常に重要だと考えている。
「フォーブスは、女性が所有する企業のうち、売り上げが100万ドル(約1億1000万円)を超える企業は2%以下だと報じている。これは驚くべき結果で、変えなければならないものだ。私たちの会社は、意図的・組織的に女性が管理する環境を作り出した。女性が起業家・リーダーになるように力を与えることで変革が始まる」(アイゼン)
よりインクルーシブ(包摂的)な職場慣行から恩恵を受けるのは女性だけではない。コンサルティング企業アクセンチュアによる調査によると、平等性を擁護する文化では、男性が上級管理職に昇進する確率が倍になる。
アイゼンは取材に対し、女性の活躍を支援する職場環境を作るため、企業ができる3つのことを共有してくれた。
1. 女性に優しい企業文化を意図的に作る
アイゼンは、才能のある女性の人材を引きつけて保持することが容易にできるかどうかは、企業文化により決まると述べた。「成長と支援の文化を作ること。私たちは、この会社は『フェンパイア(女性の帝国)』だとうたい、女性の管理職と女性従業員のいる会社として売り込んでいる。これにより、会社で互いをどう扱うかが明確に示されると思う」(アイゼン)
アイゼンは、IMGの文化と他企業との違いは、従業員が自分らしくいられることだと考えている。「女性と働くことには、ある一定の心地良さとリラックス感がある。女性上司と女性従業員との関係は、男性上司と女性従業員の関係と違うし、その逆もそうだ。これにより、当社の文化は従業員に自信を与えていると感じる」とアイゼンは述べた。
2. 女性に優しい企業文化に適合する人を採用する
IMGは女性中心の環境で、最も地位が高い男性管理職でも女性の上司を持つ。これはアイゼンが非常に心地良く感じていることだ。「当社では確かに、男性を面接・採用している。人材を見極める際に考慮するのは、適性、経験、当社の文化への適合度だけだ」とアイゼン。金融など男性中心の業界から来る男性は、典型的な職場環境からかけ離れているIMGの企業文化の中で働くことに難しさを感じるかもしれない、とアイゼンは述べた。
「私たちは全員が、ニーズや感情など自分の考えを少しだけ、より自由に表現できる。これにより、ある程度の自律性と自信がもたらされる」