現状で大麻は米国の連邦法及び、薬物取り締まりの国際条約において、最も厳しい規制対象であるスケジュール1に指定されている。そのため、大麻の有効性の研究も厳格な規制の下に置かれている。薬物規制の国際条約に加盟する国々は、本来であれば合法化に踏み切るべきではない。しかし、ここ最近ではカナダやウルグアイが合法化を行った。
FDAのポリシー担当のLeslie Kuxは10月10日に公開された書面で「今回のパブリックコメントに寄せられた意見は今後、WHO(世界保健機関)で開催される大麻の規制見直し議論においての検討材料となる」と述べた。
WHOの薬物依存に関する専門委員会のECDDは、来月ジュネーブで会合を開き、大麻やその他の薬物の規制の見直しに取りかかろうとしている。ECDDはそれに向けて、大麻の使用状況や各国での規制状況などの情報収集にあたっている。
これに先立ってECDDは、大麻に含まれる酩酊作用をもたらさない成分の「CBD」に、医療的有効性があることを認め、CBDを違法薬物の枠組みから除外するべきだと述べていた。
「CBDは酩酊作用をもたらす大麻成分のTHCとは異なる成分だ。純粋なCBDは規制対象から除外を検討するべきである」と国連傘下の機関であるECDDは指摘していた。
トランプ政権は今年5月にも、国連の大麻規制の見直しの会合を控え、パブリックコメントを募集していた。
大麻の合法化を推進する人々は、大麻の薬理作用に関するデータの精査が進めば、規制緩和が進むことは間違いないと考えている。
「大麻の潜在的な乱用可能性はアルコールやタバコや処方薬と同種のものであり、米国の連邦法や国際条約において、大麻の使用を犯罪行為に指定することは正統性を欠いている。大麻の使用には健康上の懸念があるかもしれないが、犯罪行為とされるべきものではない」と大麻の消費者団体「NORML」のPaul Armentanoは述べた。