アメリカでは著名ジャーナリストが続々と自分のチャネルを持ち、定期的に発信。業界トップのVCや企業も独自のチャネルを持ち、専門分野の最新情報を集めるにはメディアよりも早くて詳細だという。ポッドキャストの秘めたる魅力を、ヘビーユーザーの2人に語ってもらった。
渡辺:ここ12年で一番最先端の情報の集め方ってすごく変わった気がする。ものすごくポッドキャストを聞くようになったんだけどどう?
奥本:私もその通りだと思う。ポッドキャストを使って隙間時間にちょこちょこっと聞いて、最新情報を仕入れることが格段に増えた。
渡辺:一応念のため。ポッドキャストとは何でしょう。
奥本:2001年に有名なソフトウェアエンジニアのデイブ・ワイナーがRSSフィードに音も配信できる機能を組み込んだのが始まり。録音を購読できるサービスといえばいいのかな。
渡辺:その後、2004年にイギリス人のジャーナリストがiPodとブロードキャストを混ぜてポッドキャストと命名した。
奥本:先日、アメリカの著名テレビパーソナリティ、ケイティ・クーリックが、彼女の大学生の娘がポッドキャストを情報ソースにしているというのを話題にしていた。
「うちの娘はポッドキャストを聞いて最新情報をとるようになったのよ」とすごく嬉しそうに。クーリック自身もポッドキャスト番組をスタートしているし、彼女のように著名なジャーナリストが進出しているということが人気を物語っていると思うのよね。
渡辺:最近のWWDC(アップルの開発者向けイベント)で公開された数字では、ポッドキャストのチャネルは55万件もあるらしい。昨年末ぐらいのニールセンの調査だとアメリカの家庭の50%がポッドキャストを聞いたことがあって、全人口の17%が毎週聞いているそうだ。
奥本:50%というのは意外に多い。でも、朝のランニングや家事をしてる時など“隙間時間”に最新情報を聴けるのは便利だから、広まっていくのが分かる。途中で止めて、あとで続きを聴くことができるのも便利。
渡辺:車社会のアメリカだから運転中に聴くのが多いのかなと思っていたけど、意外にも車で聞く人は22%。家で聴いている人が49%で一番多いそう。
奥本:で、ポッドキャストを聴いている人は平均6つのポッドキャストをサブスクライブしているらしいね。
渡辺:今自分がサブスクライブしているポッドキャストの数を見たら28個あった。
奥本:私は25個。
渡辺:結構昔からやっているポッドキャストを発見して、最初から聞こうとすると140回とか200回とかあって1から辿って聞く、みたいなのが夏休みの過ごし方だったりする今日この頃。
奥本:そうなの? 何を聞いているの?
渡辺:The History of Rome。ローマ史です。
奥本:おもしろそう。私が必ず聞くのは、シリコンバレーの著名ジャーナリスト、カーラ・スウィッチャーのテクノロジー系チャネルふたつと、ニューヨークタイムズのThe Dailyかな。