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コーポレートコミュニケーション ディレクターの松尾崇

「地上波が苦しくなっているのも事実なんで、なんか、微妙やねん。ほんまはライバルやから」

お笑い芸人・明石家さんまがネットフリックスについて率直な思いを語るCM「人間、明石家さんま。」が昨年末、大きな注目を集めた。

「若者のテレビ離れ」という言葉とともに、多くの民放テレビが制作費を縮小し、見逃し配信や課金サービスなどを展開していく一方で、ネットフリックスを筆頭にオンラインストリーミングサービス各社は制作費等への投資を拡大している。

特にネットフリックスは巨額の投資を行なっており、2018年におけるコンテンツへの投資額(オリジナル作品の制作等を含む)は合計80億ドル以上と言われているほどだ。

なぜ、ネットフリックスは巨額の資金をコンテンツに投入するのか。また、どのようにしてオリジナル作品のヒットを生み出しているのか。彼らのコンテンツ制作におけるこだわりを松尾崇に聞いた。

ネットフリックスは「大ヒット作」だけを狙うわけではない



『ハウス・オブ・カード 野望の階段』『ストレンジャー・シングス 未知の世界』『13の理由』『ペーパー・ハウス』など、オリジナル作品のヒット作を立て続けに生み出し続けてきたネットフリックス。

十分な制作費をかけて、高いクオリティのオリジナル作品を生み出し、ヒットさせる。さらに多額の資金を投下し、より良いコンテンツを生み出していく。

まさに理想的とも言えるコンテンツの制作過程だが、松尾はこう言う。

オリジナル作品の大ヒットだけを狙うために大きな投資を継続しているわけではない、と。

「多くの人に視聴してもらえるようなコンテンツ制作を戦略的に行うことはあります。ただ、大ヒット作を生み出しただけでよし、という考えは、我々にはありません。多彩なコンテンツを用意し、世界中の国々に点在する、メンバーひとりひとりに、自分にフィットする作品を見つけて楽しんでもらう。これがネットフリックスの基本的な考え方です」



だからこそ、ネットフリックスでは想定する視聴者の数が必ずしも巨大ではなくても、今の時代に制作する意義のあるコンテンツを制作・公開する。それがもしかしたら、誰かにとって忘れられない作品になるかもしれないから──。

また、総額80億ドル以上をコンテンツの充実にあてていると言われているネットフリックスだが、松尾曰く、その全てをオリジナルコンテンツの制作に充てているわけではないという。



「世界中のスタジオやコンテンツプロバイダと映画やドラマのライセンス契約の締結、オリジナルコンテンツの制作、双方合わせて年間である程度まとまった金額を投資しています。ネットフリックスでしか見れないコンテンツがあることは大切ですから、もちろんかなり力を入れています。その上で、もちろんユーザーひとりひとりのテイストに合わせ、満足度を高めていくことが重要なので、多種多様なコンテンツの面白さにもこだわりを持っています」

文=園田菜々 写真=若原瑞昌

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