KFCはなぜ改称？
消費者の中には、ダンキンドーナツを「DD」と呼んできた人たちもいる。彼らはダンキンの新しい名前に慣れるまで、少し時間を必要とすることになるだろう。一方、多くの消費者にとって思い出されるのは、1991年に「ケンタッキー・フライドチキン」が「KFC」に改称したときのことだ。
KFCは当時、名称変更の目的はより健康的な食事の提供に力を入れる方針を店名に反映させることや、メニューが揚げ物だけではないことを消費者に理解してもらうことだと強調していた。
実際にはこの前年、ケンタッキー州が「ケンタッキー」を商標登録。その名を冠する全ての企業からライセンス料を徴収することを発表していた。創業から40年近くがたっていたKFCは、ロイヤリティの支払いには応じられなかったのだ。
また、2010年には米公共ラジオ局のナショナル・パブリック・ラジオ（登録名は現在もこのまま）が国内の各地のラジオ局に対し、自社を「NPR」と呼ぶよう呼び掛け始めた。NPRは当時、オンラインでの情報提供に力を入れており、画像や動画も掲載するようになっていた。そのため「ラジオ」という言葉が陳腐化し始めていたのだ。
現在では、毎週およそ3770万人がストリーミングやスマートスピーカーの「アマゾンエコー」といったホームデバイスを介して、NPRのプログラムを聴取している。「ラジオ」は機能を表すというよりも、古風な趣のある名前になっていると考えられる。
