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世界漫遊の放送作家が教える「旅番組の舞台裏」

ベテクク村の子供たちと川口信弘氏

ベナンという国をご存知だろうか。そう言うと、「ああ、ペナンですか、いいですねぇ」などという人もいるが、ペナンはマレーシアの観光地だ。「ペナン(Penang)」と「ベナン(Benin)」の区別がつかないくらい知名度が低い。それが西アフリカの小国、ベナンである。

しかし、ベナンのことは知らなくとも、ゾマホンという名前なら聞いたことがある人も多いだろう。あの「たけし軍団」のゾマホンである。かつてタレントとして活動していた彼は、その後、ベナンの駐日特命全権大使を務めるなど、母国ベナンと日本の架け橋として活躍している。

ベナンは、サブサハラと呼ばれる地域にあたる。サブサハラとは、サハラ砂漠以南のアフリカのことで、このエリアは人口が急増している一方で、深刻な貧困問題も抱えている。

ベナンがそんなサブサハラ地域を牽引する国となれるよう、ゾマホンさんはベナン人の人材育成に取り組んできた。そのために何よりも重要視しているのが教育だ。日本で出版した自著の売り上げや、タレント活動を通して知遇を得た財界や芸能界の著名人たちから寄付を集め、彼はこれまでに7つの小学校と1つの日本語学校を母国に建設した。

しかし、それらの7つの小学校には建屋はあるのだが、なんと電気がない。電気がない校舎では、雨が降ると教科書や黒板の文字も見えない。そんな学校にはベナン人の教師もなかなか赴任してくれないのだという。



ソーラーパネルで犯罪が減る

そんな現状を改善し、ベナンの子供たちにより高いレベルの教育を受けさせるべく、電気のない小学校に明かりを灯そうとしている日本人がいる。ゾマホンさんの活動に感銘を受けたという川口信弘さんがその人だ。

川口さんは佐賀県鳥栖市に本社を置く屋根屋の3代目。これまでに、独自に開発した薄型軽量太陽光パネルを使って、アフリカ各地の非電化の村に明かりを灯してきた実績がある。

川口さんのソーラーパネルは、なによりもその薄さに特徴がある。通常、屋根に太陽光パネルを載せるには、その荷重に耐えうるに十分な家屋の設計が必要となる。しかし、川口さんの扱うソーラーパネルはフィルム状で軽く、持ち運びやすく、さらには取り外しが可能だ。

そのため、アフリカの家屋によく見られる茅葺き屋根にも載せられるし、雨が降ったりしたら簡単に収納することもできる。手入れも簡単なので、ソーラーパネルの専門知識がない現地の人たちでも十分に使いこなすことができるのだ。しかも発電した電気を蓄電するためのバッテリーも保守が不要なものなので、半永久的に使えるのだという。

このソーラー発電システムを導入したナイジェリアの非電化の村では、ソーラーパネルによる街灯を設置したことで犯罪が減り、さらにはその明かりの下で商売を始める人が出てくるなど、村に顕著な変化がもたらされたそうだ。

文=鍵和田昇

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