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人事2.0 ──HRが作る会社のデザイン

4 PM production / Shutterstock.com

評価をするのが苦手だというマネジャーは結構多いのではないだろうか。「仕事の評価」をしているはずなのに、ともすると低い評価は、人格を否定されたように捉えられてしまう。成果や行動の何を評価し、何の改善を望むのか。それが説明できないと感情論になってしまう可能性もある。

そのためにはまず、「何を評価するのか」が握られている必要がある。多くの場合、それは評価制度として提示される。何を評価するかは会社の方針次第なので、そこに良し悪しはない。どのような行動を奨励したいか、何を重視したいかを考えて決めていくものである。

年功序列」の正と悪

たとえば「年功序列」100%の評価制度であれば、経験年数が評価基準になる。いくら営業成績がよくても、年長の人に待遇が勝ることはない。「この制度は間違っている」ということはない。「年功」なのか「成績」なのか、その会社が重視しているものを制度に落としただけのことだからだ。

もし問題提起をするならば、その制度で何が直接的・間接的に引き起こされているか、それはありたい姿とギャップがあるかどうかの議論から始めるべきだろう。

マイナス面としては、成績が良くても悪くても待遇が変わらないので、“できる人”がモチベーションを低下させがちだと言われる。さらに競争原理が働かないこともあり、背伸びして頑張ろうという気概は薄れがちだ。「やってもやらなくても変わらないから」と手を抜く人が出てくると、その行動が伝播していくかもしれない。制度1つで、何かの行動が助長され、それが風土となっていく。制度自体から従業員は勝手にメッセージを読み取ることが多いからだ。

一方で、「年功」だからといって負の影響になるとは限らない。「失敗しても待遇に影響ないでしょ」と口に出し、チャレンジする人がいると、その行動が伝播していく可能性がある。

「年功序列」にしている意味、そこで期待している行動がしっかり伝わることで意図通りに機能すると言えよう。「年上の人ほど経験を糧にチャレンジし、成果を出しているから当社は年功制度をとっている。だから年数で評価する」と明確にわかれば、経験ある人がチャレンジをリードする風土がつくられていくだろう。

文=堀尾司

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