さらにインスタグラムにアップする写真にも、独自の勝ちパターンを発掘。それは、いわゆるインスタのHOW TO記事に書かれていることとは異なるといいます。
「最初はHOW TO記事にならって、とにかく美しい写真を載せていましたが、インスタグラムの分析ツール『インサイト』で分析していくと、綺麗に加工された写真よりナチュラルな写真、コーヒーよりもバリスタやお客さんの写っているもの、動きのあるカジュアルな写真に人気があることが分かってきました」
そこで、一般的なHOW TOは無視して、上記を意識したオリジナルの投稿に注力したという松宮氏は、「そのお店ならではの影響力ある写真を、インサイトを確認しながら探っていく必要があります」とインスタとの付き合い方を語ります。
その他にもインスタグラムの運用においては、以下のような動きを大切にしていると教えてくれました。
・個性的なツーリストは、写真を撮らせてもらい公式ページでポスト
・フォローするとクッキーがもらえるキャンペーンを実施
・固定のハッシュタグを必ず入れ、そのワードも常にブラッシュアップ
・メンションやジオタグを必ず入れる
・リポストでお客さんを主役にしたポストを行う
・動画やストーリーズ、IGTVなど新しい機能は積極的に取り入れる
リ・バウンドを意識して日本人客にもアピール
英語があまり話せないスタッフでも、グローバルな“ノリ”を意識したコミュニケーションを行う。
「グローバル標準のコミュニケーション」「撮影スポット化の推進」「独自の写真戦略」を中心に、外国人のお客さんを増やしていったALCBですが、日経MJから思わぬ切り口での取材を受けたといいます。
その切り口とは「リ・バウンド」。訪日外国人のインバウンド消費をきっかけに、日本人が日本の観光地や店、モノを再評価する動きです。外国人がたくさん集まっている場所特有の“オシャレな空気感”が人を惹きつけ、ALCBには日本のお客さんもジワジワと増加しています。
オーストラリアやNYからバリスタを招いたイベントも頻繁に行われている
外国人視点のコミュニケーションやインスタグラムの効果的運用、リ・バウンド効果の意識など、インバウンドに必要な施策を着々と進めているALCBが、今後力を入れていくのは「Google Maps」。というのも、お店の検索が「yelp」などの検索サービスから、Google Mapsに急激に移行している流れがあると松宮氏はいいます。
どうすれば訪日外国人を呼び込めるか、さらにはファンにしてその先につなげられるか。ALCBを参考に、オリンピックまでにインバウンド戦略を固め、来日された方々が心地よく日本を楽しめる環境を整えていきたいですね。
連載:クリエイティブなライフスタイルの「種」
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