上記のアプリを含む24個の人気iOSアプリに、利益目的で位置情報を取得して販売するコードが含まれていたことが明らかになった。コードは、一部のアプリからは既に削除されているが、その他には現在も含まれているという。
調査を行ったのは、「GuardianApp 」の設立者でiPhoneのセキュリティ調査を行っているWill Strafachだ。Strafachはアップストアで販売されているアプリを調査した結果、24のアプリにデータマネタイズ企業によるコードが見つかった。これらの企業はこっそりとユーザーの位置情報を取得して販売しているという。位置情報は、広告配信や営業・マーケティング戦略策定用の分析ツールに使われていると考えられている。
「これはユーザーの信頼を裏切る行為だ。もしアプリがデータを利益目的で外部の企業に売り渡していたとしたら、多くの人は問題視するだろう。ユーザーの多くは知らないうちに位置情報を取得されていた」とStrafachは語った。
位置情報をトラッキングしていた24個のアプリと、データを販売して利益を得ていた企業の一覧は、次のURLから確認することができる。
https://guardianapp.com/ios-app-location-report-sep2018.html
本件についてアップルにコメントを求めたが、回答を得ることはできなかった。
アプリ開発者やデータマネタイズ企業は、ユーザーに対して位置情報のトラッキングをはっきりと伝えているとして、Strafachの指摘に反論している。AskFMの広報担当者は、「AreaMetrics」と「Huq」というデータマネタイズ企業2社に位置情報を送っていたことを認めたが、位置データの用途についてはプライバシーポリシーの中で明示しているとしている。
「我々が収集するデータは、機能改善やユーザーのニーズに合った広告の配信など、ユーザー体験の向上を図るために使っている」と広報担当者は述べている。
ユーザーはAskFMアプリに登録をする際、位置情報のトラッキングを許可して関連性の高い広告が掲載されるようにするか否かを選択することができる。
Huqのチーフ・マーケティング・オフィサーであるAlexander Fairfaxによると、AskFMはオンボーディングと認証のプロセスを厳格に運用しており、ユーザーに対して何のデータをどのような目的でHuqに共有するか詳細に説明しているという。また、Huqは全てのデータを匿名化し、不動産や小売り、金融、マーケティングなどの企業向けに分析ツールとして提供しているという。同社は広告事業は行っていない。