小売店のビーコンで利用
AreaMetricsの共同創業者兼CEOであるBrandon Bennettによると、同社はAskFMを使って小売店に設置されたBluetoothビーコンから位置データを匿名化して取得しているという。
AreaMetricsは、ユーザーがビーコンの設置店舗を訪れると、過去に同じ店舗に入店したことがあるか把握できる。同社はそうした情報を広告会社に提供し、広告会社はより精緻なターゲティングを図ることが可能になる。
Bennett によると、AskFMはユーザーに対して位置情報をAreaMetricsに共有している事実を明確に伝えると同時に、パートナー企業がユーザーのGPS座標を取得することを禁じており、AreaMetricsもユーザーのプライバシー保護に努めていたという。
これに対し、Strafachはデータ企業がプライバシーポリシーに記載するだけでなく、データの共有方法についてユーザーに直接通知を送るべきだと主張する。彼によると、現状大半の企業がこれを行っていないという。
NOAA Weather Radarの運営企業である「Apalon」の広報担当者によると、同社は位置情報のトラッキングを年初のわずかな期間だけテストしたが、その際にはユーザーにはっきりと説明したという。同社は4月にテストが終了後、トラッキング用コードを全て削除したというが、Strafachによるとその中には「Factual」や「Sense 360」、「Teemo」向けのものが含まれていたという。「現在はこれらの企業と関係がなく、顧客のデータを誰にも販売していない」とApalonの広報担当者は述べている。
数千万人が使うアプリも
ユーザー数が数千万人規模のPerfect365は、少なくとも8種類の位置情報トラッカーを使用していたとStrafachは指摘している。これに対し、同社の広報担当者は次のように述べている。「当社のテクノロジーとサードパーティとの提携内容は秘密保持契約により開示することができない。当社のプライバシーポリシーは、ウェブサイト上で公開している」
位置情報トラッキングが物議を醸したのは今回が初めてではない。これまでには、Accuweatherのアプリにデータマネタイズ企業「Reveal Mobile」向けのコードが含まれていることが発覚し、同社がコードを密かに削除したことが明らかになった。Accuweatherは、Reveal Mobile がWi-Fiネットワークデータを含む様々な情報をiPhoneから取得していたことを知らなかったとしている。両社は、ユーザーがオプトアウトしても位置情報がトラッキングされるとの指摘を否定している。
しかし、Strafachが懸念するのはデータの合法的な使用についてだけでははい。「アプリ運営企業が位置情報を責任を持って取り扱っていたとしても、データマネタイズ企業の1社がハッキングされたら、数百万件もの位置履歴が盗まれることを意味する」とStrafachは指摘する。