経済・社会

2018.09.10 11:30

GAPがミャンマーでのビジネスを再考すべき理由


GAPの2014年のミャンマー参入は、こうした大きな経済的文脈の中で受け止められた。同社の広報担当者は当時、次のように説明している。「ミャンマーから調達を開始する初の米小売業者として、当社はこの国の女性たちに機会を創出し、持続可能な衣料業界を築く上で指導的役割を果たすことの重要性を理解している」

米国が人権問題を理由とした対ミャンマー制裁を解除した1年後に発表されたGAPの同国進出は、米政府などから、ミャンマーの改革に向けた動きが国際的に認められた兆しとして称賛された。だが現在、その改革努力は停止している。その証拠として先日、ミャンマーでは英ロイター通信のジャーナリスト2人が、懲役7年の有罪判決を言い渡された。

ロヒンギャに対する大規模な暴力と同様、このジャーナリスト2人の投獄の根本原因は、国軍が民主主義国家の要であるシビリアンコントロール(文民統制)強化の要求を受け入れず、政府の手綱をしっかりと握っていることにある。ミャンマーにおける人権問題が悪化する中、ギャップなどの企業は、自国民に対して人道に対する罪とジェノサイドを犯したと非難されている軍指導部が支配するこの国で、自社がビジネスをするべきかどうかを考える必要がある。

編集=上田裕資

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