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スポーツ心理学で紐解く心の整え方

VGstockstudio / Shutterstock.com

これまで私は、ビジネスの世界でも教育の世界でも成功するために必要なことは「認知的能力」であると訴え続け、多くのビジネスパーソンの方々にそのメソッドを伝えてきた。

認知的能力とは、端的に言えば知能やIQのこと。つまり、認知的能力が高いということは、平易な言葉だと“頭がいい”ことであり、学習スキルが高く、高度な問題解決や意思決定にも対応することができる可能性が高いとされている。

しかし、社会構造の複雑化やAIの発展などが著しいいま、ただ頭が良い“だけ”の人はビジネスシーンにおいて活躍できるとは限らない。

では、これからのビジネスパーソンが兼ね備えるべき能力とは、一体何なのか。

その1つが「非認知的能力」である。本質的な価値を見つめ直し、心の状態や物事の質を重んじるなど、定量化できないことをマネジメントできる能力のことだ。どんなに人間が頑張って努力しても、あるいは無視しても、人間には心の状態、感情、そして機嫌が存在する。

現状、AIにはまだ実現できていない「心」をマネジメントできることが人間らしさであり、ビジネスパーソンの成功を左右する鍵なのであると私は考える。

心の状態は、人間の様々な機能の土台となって支えている。つまり、心を自ら整えることは自らの機能をマネジメントし、それにより自分のパフォーマンスレベルを上げることに繋がる。

心をマネジメントすることは、ビジネスシーンでも重要とされている、以下のさまざまな状態の実現性を高める。それは、グリット(継続性)、レジリエンス(回復性)、サステイナビリティ―(持続性)、クリエイティブ(創造性)、リーダーシップ(指導性)、ダイバーシティ(多様性)、ウェルビーイング(健康性)、チームワーク(団結性)、コミュニケーション(関係性)、イノベーション(変革性)など。

不機嫌で揺らぎ・とらわれのストレスな「ノン・フロー」な心の状態で、上記のような定量化できない部分のレベルを上げるのはほとんど不可能だろう。この心の状態をセルフマネジメントする「非認知的脳力」こそがライフスキルなのである。

WHOでは、非認知的能力のことを「人間らしく生き抜く力」とも表現されている。一方、AIを代表するような認知的能力だけでは、人生の色々な場面で直面する定量化できない課題を解決することは難しい。これはビジネスの場面でもそう。重要な意思決定には数値的な根拠のみならず、「意志」や「想い」といった定性的な要素も非常に重要なファクターとなる。だからこそいま、ライフスキルを磨き育むことに興味のある企業や経営者、ビジネスマンが増えてきたのだと思う。

文=辻秀一

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