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mediaphotos/gettyimages

職場でセクハラへの注意を呼びかける文言を見かけることが、増えていないだろうか?

1年間に都道府県労働雇用均等局に寄せられるセクハラ相談は約7000件。女性が正社員に就くのが当たり前になったからこそ、誰もが心地よく働くためにハラスメント対策が求められている。

一方で、こうした対策に戸惑いを隠せない男性もいるはずだ。何気なく掛けた言葉もでさえも、ハラスメント扱いされるかもしれない。

男性はどのように女性社員と接するべきか、あるいはハラスメントを目撃したときにどうすればいいのか。女性の働き方に詳しいジャーナリストの白河桃子に、ハラスメントとの付き合い方を聞いた。

なおこの記事は、「男性が読むべきハラスメント記事」にできればと思っている。ハラスメントに関する記事は女性読者が関心をもつことが多いが、女性が働きやすい職場環境は、きっと男性にとっても働きやすい環境であるはずだからだ。

──
まず、男性読者がハラスメントの加害者/被害者にならないための方法や、海外を含めたハラスメント対策の現状を伺います。ハラスメントが多い企業に共通する特徴はあるのでしょうか。

ざっくりいってしまうと、45歳以上の男性社員が多くて女性の意思決定者が少ない企業です。つまりは「多様性の低さ」ですね。男性が多いのがダメではなく、多様性が少ない組織では同質性が高くなり、風土が是正されにくくなります。

30歳以下の世代では共働きが当たり前なので、女性を対等な存在だと考える人が多い。一方、40代以上の社員は上の世代に女性総合職が少なく、職場の女性をお茶汲みやコピーを取らせる部下としてしか扱ったことがありません。

また体育会系の風土で鍛えられた人は、自分でも気づかないうちにパワハラなどのハラスメントをしてしまう傾向が高いと思います。

職場の女性をともに働く対等な仲間だとみなすのが、セクハラ根絶の第一歩ではないでしょうか。男女が対等に働ける風土がある職場では、男性に対するハラスメントも起こりにくいです。

──緒に働く仲間として男女を平等に扱う、と。ですが、必ずしも女性を見下している人だけがセクハラをするわけではありません。
 
そうですね。例えば、部下をいたわるつもりで上司が女性社員に肩もみをする、といった話はよく聞きます。ハラスメントをする人の中には、くだけたことを言ってなんとなく周囲からも好感を持たれている、「セクハラするけど憎めないおじさん」もいるでしょう。

仮に親切心でやっていたとしても、ボディタッチは女性社員からすれば立派なセクハラですよね。

──上司がこうした行動をしていても、それを止めるのは難しいように思いますが……。

いいえ、上司のためにも伝えてあげるべきです。「セクハラするけど憎めないおじさん」に誰も意見しないでいた結果、彼が偉くなってから大きな不祥事を働いて懲戒免職になってしまったと聞いたこともあります。

もちろん本人の自業自得なのですが、ある意味では周りの人がそれまでのハラスメントを見過ごさなければ、彼が人生を踏み外すこともなかったかもしれません。

事件が起こってから後悔の声をあげても意味がありません。早稲田大学の教授が告発された件でも、あとから関係者の声がいくつか上がっていました。セクハラのことは知りつつも、彼のキャラクターだから、と容認してきた。それが晩節を汚すことになったのでは。

上司に直接注意できないのなら、例えば違った話題を差し込むとか、飲み会ならコップを倒して会話を中断させるなどの間接介入を試みてください。自分でやるのが難しければ、他の人や店員さんなどの第三者に助けを求めるといいでしょう。女性記者からは、スナックのママが助けてくれたという話をよく聞きます。

文=野口直希

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