2017年、アメリカ随一のエンターテインメント見本市であるSXSW(サウス・バイ・サウスウエスト)「Japan Nite」とソニー・ミュージック共催のオーディションでグランプリを受賞。翌年には「PINK」US盤をリリース、二度目のSXSW出演を含む全米ツアーを行い、日本だけでなく世界から注目を集める。
なぜコンプレックスを武器として、音楽で表現しようと思ったのか。そして彼女たちが今、性別や世代、国籍を問わず多くの人々から注目され、衝撃を与えながらも強く魅了する理由とは。「30 UNDER 30 JAPAN」選出に際し、話を聞いた。
メインカルチャーとしてずっと愛され続けたい
──どのような経緯でバンドを結成したのですか?
マナ:私とカナが双子の姉妹で、ユナとは高校の軽音楽部で知り合って、そのあと私が大学でユウキと出会って、「バンドやろうよ」って始めたの。最初はコンセプトとか特になくて、本当に適当に始まった。部活でバンドをやるのが楽しかったから、その延長線で。
──誰か特定のミュージシャンの影響はありましたか?
ユウキ:うーん、昔は洋楽とかぜんぜん触れたことがなくて、めっちゃ音楽に詳しい人から教えてもらっていろいろ知ったの。最初はベースメント・ジャックスに衝撃を受けて、「音楽ってこんなになんでもいけるんだ」って、世界が広がった!
マナ:自分たちで音楽を調べることはあんまりしないね。“掘る”とかできない! だから曲やアーティストを知っても、いつ頃にどこで生まれた人なのかとか、ぜんぜん知らないままのこともある。
ユナ:Shazamとかでしか調べないよね。
ユウキ:そうそう!H&Mとか行って気になる曲が流れていたら、すぐにShazamしちゃう。曲さえ知れればうれしいの。
──音楽を作るときに心がけていること、ポリシーなどはありますか?
マナ:曲を作るうえでのルールとかは全然ない。プライドとかもあんまりないから、「自分たちがどうしたいか」を優先して、思うままに作っちゃう。サビとかなくてもいいって思っちゃうし。
カナ:しいて言えば、「キャッチーである」ことは心がけているよね。キャッチーに、リズミカルに作るっていうのは常に念頭に置いている。自由だけど、絶対キャッチーにする。
ユウキ:でも、“キテレツで変なだけ”のものは作らない。サブカルでもない。一過性のものでもなく、メインカルチャーのエンターテインメントとして、みんなにずっと愛されたいからね。