年齢のコンプレックスを超えたときが、いちばん強い
──年齢を「不明」にされているのは、皆さんの意志があってのことと伺ったのですが、どんな意図があるのでしょうか?
ユウキ:特に女性は、「その年齢でそういう感じなんだ」みたいな見られ方をされがちだよね。若いほうがいいって言われる場面がやっぱり多い。
アイドルとか特にそうだけど、年齢で期限をつけられてしまう感じがあって、それが嫌なら最初から「年齢不明」にしようと思ったの。でもいつかそれも超えていきたい。まだ難しいけど。
カナ:“ガールズバンド”って括りも年齢制限を感じさせるものだし、だからこそ私たちは“オンナバンド”って自分たちで言っているんだけど、それってやっぱり年齢を結構気にしているからなんだよね。
「この歳までにこれをしなきゃ」とか思っていたし、周りを見ているとそれも間違いじゃないとも思うし、同時に「年齢なんか関係ない」とも思っているからこそ、自分たちの年齢を今は言わない。
ユウキ:だから、いつか超えたい。年齢のコンプレックスはまだ超えられてない。そこを超えたときが、いちばん強くなれたときだと思う。
──「年齢は関係ない」というお話をしておきながら伺いますが、皆さんから見た憧れのOver30ってどなたですか?
マナ:桃井かおりさんはカッコいいなあ。オーラがすごい! 3月にUSツアーを観に来てくれたの。
ユウキ:ほんとにね、「カッコいい女ってこういうことだ!」って思った。
マナ:桃井さんは年齢が強みって感じだよね。なんていうか、堂々としてる感じが、自信が伝わってくる。
ユナ:私は夏木マリさんが好き!
ユウキ:わかる!ドキドキしちゃうよね。桃井さんも夏木さんも、年齢を重ねたうえでの自信が色気になっているのが、すごく素敵だと思う。
どんな目標も運動会の1位みたいに目指していい
──いま挙げていただいたOver30の方々は、多くの実績を持つ方々だと思うのですが、皆さんが今後の目標として掲げているものはありますか?
全員:グラミー賞!
マナ:最初に話したベースメント・ジャックスもそうだけど、私たちが大好きになった人たちを調べてみたら、たまたまみんなグラミー賞を獲っていたの。
ユウキ:「そりゃあカッコいいわ、本物だわ」って思って。グラミー賞ほどのものを獲れる人はやっぱりカッコよさが違う。獲れなかったときなんて考えないでとにかく言う。「獲れなかったらどうするんだ」とか関係ない!
マナ:日本人のバンドで獲っている人はいないけど、目指すことは間違いじゃない。恥ずかしいことでもないし、運動会の1位と同じように目指していいものだと思っているから。目指していることをちゃんと言うのが私たちは大事だと思ってるの。
Forbes JAPANはアートからビジネス、 スポーツにサイエンスまで、次代を担う30歳未満の若者たちを表彰する「30 UNDER 30 JAPAN」を、8月22日からスタートしている。
「Entertainment & Sports」カテゴリーで選出された、ミュージシャンのCHAI以外の受賞者のインタビューを特設サイトにて公開中。彼ら、彼女たちが歩んできた過去、現在、そして未来を語ってもらっている。
CHAI◎2015年バンド本格始動。自分たちをニュー・エキサイト・オンナバンドと位置付ける。コンセプトは「NEOかわいい」、「コンプレックスはアートなり」。