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ディープラーニングについて語る松尾豊氏(右)とディープコアの仁木勝雅代表

AI研究の第一人者として知られる東京大学の松尾豊・特任准教授は、8月8日にオープンした日本初のAI特化型インキュベーション施設「KERNEL HONGO」(カーネル・ホンゴウ)の説明会で、注力分野であるディープラーニングの現在地についてこのように語った。以下、松尾特任准教授の言を紹介したい。

数十年に一度のイノベーション

ディープラーニングは今まで学習するのが難しかった、いろんなものが学習できる、非常に単純かつ汎用性が高いテクノロジーである。その観点からすると、インターネットやトランジスタ、車のエンジン、電気の誕生に並ぶ、数十年に一度の非常に大きなイノベーションだと思っている。

汎用性が高いと、必ずキラーアプリが出てくる。インターネットの場合は検索やEコマースがそれにあたる。トランジスタの場合はどんどん集積し、ラジオ、テレビ、パソコン、携帯になっていった。エンジンは結局、車という非常に大きな産業になった。

ディープラーニングでも、これからアプリケーションが出てきて、その中から非常に巨大なものが出てくると思う。

今、世界トップの企業はアップル、グーグル、マイクロソフトなどだが、10~20年後にはディープラーニングをベースとした企業が台頭し、この景色がガラッと変わっていると思う。そんな企業を日本から出したい。

今のディープラーニングは、インターネットの1998年

今のディープラーニングの状況は、インターネットでいうとちょうど20年前の状況と似ていると思っている。今が1998年だと思ってもらえれば、グーグルはまだできたばかり。アマゾンもほとんど知られていなかった。フェイスブックは影も形もなかった時期なのだ。

インターネットの世界でいう、検索エンジンやEコマース、ソーシャルメディアといった大きくなっていくビジネスを、ディープラーニングの世界で生み出せるかどうかが一番大きな鍵だと思っている。

今(KERNEL HONGOに)集まってくれている学生や社会人の中から、アマゾン、グーグル、フェイスブックにあたるような企業をディープラーニングの領域で出してほしい。それを松尾研究室が手伝えればいいかなと思っている。


KERNEL HONGOは、AI特化型インキュベーターのディープコア(仁木勝雅代表)がオープン。AI分野、特にディープラーニング分野の若い技術者や研究者を、起業家として育成する。シェアオフィスのWeWorkがデザインした。ディープコアはソフトバンクグループが100%出資する子会社。

文=林亜季

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