テクノロジー関連のニュースの見出しはアップルの名前であふれたが、これは小売業界にとっても大きな出来事だ。アップルは小売各社に、実行すべき4つのことを教えてくれている。
1. 「適切な商品」を提供する
先ごろ米ランジェリーブランドのヴィクトリアズ・シークレットが示したように、安売りをしても消費者を呼び込むことができない場合もある。たとえ値引きをしなくても消費者の財布のひもを緩ませるには、彼らが欲しいと思うものを提供することだ。
iPhoneは今年第3四半期、平均販売価格が前年比で19%上昇、724ドルとなった。昨年発売したiPhone XとiPhone 8、iPhone 8 Plusの需要が世界的に伸びていることが背景にある。
アップルのティム・クック最高経営責任者(CEO)は米調査会社IDCのデータを紹介、iPhoneの売上高は世界のスマートフォン市場の拡大ペースを上回るペースで増加したと述べるとともに、米国から中東・アフリカまでの各国の市場でシェアを拡大していることを明らかにした。また、iPhoneの利用者数は同期、前年比10%増を記録したという。こうした需要に支えられ、アップルの同期の売上高は、前年比17%増の533億ドルに達した。
2. 「モバイル決済」の普及拡大を見過ごさない
第3四半期には、iPhoneを使った決済サービスApple Pay(アップルペイ)での決済件数が前年の3倍を超える10億件以上に達した。クックCEOによれば、決済サービスの米スクエアや、ペイパルのモバイル決済の取引件数を上回ったという。
Apple Payは現在、世界24カ国で利用可能だが、年内にはドイツでもサービスの提供を開始する方針。米国ではイーベイの利用者がApple Payで決済を行えるようになったほか、ドラッグチェーンのCVSファーマシーとコンビニチェーンのセブンイレブンでも、今秋からApple Payが導入される予定だ。
そのほか注目すべき点は、ペイパルの個人間送金サービス、Venmo(ベンモ)などと競合するアップルのApple Pay Cash(アップル・ペイ・キャッシュ)が、米国内でのサービス開始から8カ月ですでに、「数百万人の顧客」を獲得しているということだ。