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I look at the impact of mobile technology and online media.

アップルCEO ティム・クック (Photo by Astrid Stawiarz/Getty Images for RFK Human Rights)

アップルが先日発表した今年4〜6月期の決算は好調で、短期で考えると財政状況は万全といえるだろう。アップルの時価総額はまだ1兆ドルを超えていないが、今期の売上高は前年同期比17%増の533億ドル(約5.9兆円)だった。

しかし、長期的に考えるとアップルは問題を抱えている。iPhoneの販売台数が伸び悩んでいるのだ。今期のiPhoneの販売台数は4130万台で、前年同期の4103万台からわずかな伸びにとどまった。昨年の同時期の売上を支えたのは、iPhone Xの発売前の中継ぎ的ポジションのPhone 7やiPhone 7 Plusだった。

それから1年が経ち、アップルは昨年発売したiPhone 8やiPhone 8 Plusのパーツの発注数を減少させ、iPhone Xの現行モデルは製造を打ち切ろうとしている。これらの3機種の売上台数は、以前の2世代のモデルの売上を超えられなかった。

「サービス部門」の売上は伸びているが、これはユーザーらがサービスを利用するにあたり、より多くの支出を求められていると考えるのが妥当だろう。今回の決算では前向きな指標も多く示されたが、これは今後の懸念を抱かせる傾向だ。

スマホ業界では競争環境が激化し、Oppoやシャオミなどの中国メーカーが売上を伸ばしている。調査企業「IDC」の直近のレポートでは、2018年第2四半期の世界スマートフォン出荷台数において、中国のファーウェイがアップルを抜いて2位に浮上した。現在、アップルは3位。1位はサムスンだ。

アップルは派生的サービスからの収益で好決算を生んではいるが、今後の成長を考えた場合に最も重要なのは、iPhoneの売上だ。ここ数年の決算内容をふりかえると、アップルの業績はもはや天井を打ったとも考えられる。

1ユーザーから得られる収入を増すことに成功しているアップルだが、その基盤となるユーザー人口を増やせていないのが難点といえる。ティム・クックは今後も1ユーザーあたり収入を増やす戦略なのかもしれないが、それはある意味で危険な掛けともいえる。

編集=上田裕資

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