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2018.07.07 09:00

賛否両論の「避妊ブレスレット」が3000万ドル調達


避妊ツールのオルタナティブ

「(Avaの仕組みについて)よく理解していなければ、私も懐疑的だったことでしょう」と、バイエルシェリングにいたときにAvaの避妊に関する研究を率い、現在は同社の新しいチーフ・メディカル・オフィサーに就任したモウリーン・クロニンは言う。彼女がAvaに来たのは、会社がプロダクトを売り込むためでなく、厳格な研究を行うために投資をしていることを気に入ったからだ。

ブレスレットは寝ている間に体温、脈拍数、呼吸数、睡眠や体の動き、心拍変動などを測定でき、Avaによれば89%の精度で平均5.3日の妊娠可能期間を検知できるという。ブレスレットの値段は249ドル。Avaはまた、排卵期の異なる段階において体温と心拍の変化にどのような関連があるかに関する研究結果も発表している。

Avaの資料によれば、ブレスレットはFDAが定める「*クラス1」の医療デバイスである。そう聞くと、このブレスレットはいくつかのテストをパスしたものであるように思えるが、そうではない。ブレスレットはすでに販売されている商品と「本質的に同等」のものとして、販売を許可するためのテストが免除されているとコーニグは言う。つまりタンポンのほうが、Avaや多くの妊娠期間トラッキングアプリよりも多くのチェックを経て世に出されているということだ。

だが、もしAvaがブレスレットを避妊目的のために世に出すことになれば、状況も変わるかもしれない。クロニンはすぐにでもFDAと話したいと言う。「私はキャリアの大半を、ホルモンに基づいた効果的な避妊方法を開発することに費やしてきました」とクロニンは言う。「しかし、多くの女性がそれとは違ったものを求めていることも知っています。オルタナティブな方法があるのであれば、それも有効であることを確かめたいと思います」

過去の事例を見れば、新しい避妊ツールをつくるのは簡単ではないだろう。今年2月、『Natural Cycles』というアプリはヨーロッパの規制をパスしているが、スウェーデン医療製品庁はこのアプリを使っても意図しない妊娠があったことを報告している。Avaは、彼らの使っているテクノロジーは「まったく別のもの」だと語っている。

*欠陥や不具合が見つかっても、患者やユーザーに大きな危害を与えないことを前提とした医療機器を指す。

翻訳・編集=宮本裕人

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