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ラスベガス発 U.S.A.スプリット通信

Monkey Business Images / shutterstock.com

ラスベガスのあるコンサルティング会社の従業員が、クライアントへの請求を、個人会社からの請求に少しずつすり替え、売上金を横領していたのが発覚した。近々、提訴されることになるが、どうもこの社員、自分の個室のドアをよく閉めていたので、以前から周囲はおかしな気配を感じていたということだ。

なにもこのような犯罪ではなくとも、社員の机まわり、または個室(があれば)の様子はいろいろな空気を醸し出していて、管理職にとっては見逃せない。

前向きな意味でも後ろ向きな意味でも、職場で部下をどこに座らせるかは、マネジメントの第一歩だ。それを、無造作に年功序列にやっている職場が多いように見えて、残念に思う。

大きな机を共有するというトレンドも

アメリカでは「席順」を、「誰にどの部屋をあてがうか」とも読み替えることができる。だいたい角部屋は職位の上から埋まるし、また眺めのいい部屋も同様だ。上司より大きい部屋に入るわけにはいかない。

中途採用で、新しく偉い人が入社してきたら、下の者が部屋を明け渡して序列を守るなど、多くの米国企業がそういう細かいところにまで気を配るのは、日本の読者には意外かもしれない。

それは一方で、個室に入れてしまったが最後、その中堅以上の社員の能力評価は完全に結果でしか判断できないという技術的な障害を抱えることを意味するし、教育などもってのほかだ。

効率も悪い。情報の共有は会議や電子メールに頼るしかなく、日本式の部課単位でまとまる「島」(机を寄せ集める方式)のように、仕事をしながら「耳から入ってくる」情報が欠落する非効率はとても大きい。

そのため近年、シリコンバレーの企業を中心に、オフィス環境をこれまでの社内ヒエラルキーを反映した個室主義から離れ、それぞれがパーティションで仕切ったブースに入るか、さらには自分の机を所有せずに、島スタイルで大きな机を共有するというトレンドも出現してきた。

これだけネットが進化しても、まだまだアメリカでも業態にかかわらず社員は会社へ通勤する。ロサンゼルスやサンフランシスコなら、片道1時間も渋滞道路を運転する苦痛を毎日繰り返す人はザラだ(東京の中央線も痛切だが、わたしなら立ったまま目をつぶっていれば目的地まで連れてってくれる電車のほうがありがたい)。

なので、職場の部屋割や席順を決めることは、これからもずっと続くマネジメントノウハウのひとつとさえ言える。

文=長野慶太

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