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2017.05.16 12:00

フェイスブックやグーグル、今注目すべき世界のオフィス6選

グーグルが「起業家のコミュニティハブの構築」を目指し、世界6都市に展開する「グーグルキャンパス」。写真は、初の南米拠点として開設されたブラジル・サンパウロ。次世代のテックタレントが集う一大拠点に。

「企業の抱えているビジネス課題を解決するオフィスとはどういうものか」。Forbes JAPANではコクヨ主幹研究員、山下正太郎氏監修の元、世界中の優れたワークプレイスの中から、上記の観点で10のオフィスを選抜した。

単純なビジュアルの美しさではなく、その背景にある思想やコンセプトを重要視。コンセプトには、経営者の視点や、デザインや運営において発揮されているリーダーシップも含まれる。また「新規性」を重視し、既に多数のオフィスに採用されているものではなく、新しいアイデアの萌芽があり、今後確実に世界的なトレンドになると予想されるものを中心に選抜した。
 
なお、ワークプレイスのうち、計画中や建設途中ものは除外。既に完成したものに限定し、ワークプレイスとして機能した上で、コンセプトが成立しているものを選定。その規模は問わず、空間全体でコンセプトがピュアに表現されていることを考慮した。

厳選した10か所のうち、まずは欧米の6つのワークプレイスを紹介する。
【関連記事:「ビジネス課題」を解決する、日本とアジアのワークプレイス4選

グーグルキャンパス(世界各地)

世界の注目都市に点在優秀な人材とのタッチポイントに

無料で食べ飲み放題の食堂、遊び心満点のインテリアなど、快適で創造的なオフィスづくりを追求してきたグーグル。その対象は一貫して「グーグル社員」だった。一方、世界6都市に展開するグーグルキャンパスは簡単な登録を済ませば、誰でも無料で施設内のスペースを利用できる。

グーグルが提供するプログラムやメンタリングサービスを自由に受講できる環境に育ったグーグルキャンパス発のスタートアップたちは、2015年に合計1億500万ドル以上の資金調達に成功。グーグルにとってそこに集う次世代のテックタレントとのタッチポイントとしても機能する。



ロンドン(イギリス)、ソウル(韓国)、マドリード(スペイン)、ワルシャワ(ポーランド)、テルアビブ(イスラエル)、サンパウロ(ブラジル)の6都市で展開。煉瓦造りが特徴のマドリードのコワーキングスペースもある。起業家支援プログラムを開催する各種スペースが併設されている。

フェイスブック本社(シリコンバレー)

ワンフロアに2000人以上ザッカーバーグの思想を体現

「優秀な人材が1箇所に集まり、活発に議論すること」をイノベーションの源泉と考えるフェイスブック。2015年に完成した新社屋のテーマは「近接性」。2000人以上の社員が1枚のメガフロア上で働き、コラボレーションの誘発を狙う。

オフィス空間は、むき出しのスチール梁、天井からぶら下がるワイヤなど、あえて完成度を下げたつくりかけの状態を維持。12億人以上のユーザーが毎日利用する世界最大のSNSを運営する同社だが、空間設計には「自分たちの仕事は、未完成である」というザッカーバーグ流のベンチャーマインドを色濃く反映。



壁もドアもないワンフロアのワークプレイスが目指したのは、社員間のコミュニケーションを妨げる「精神的な距離感」をなくすこと。役員だけが使うことの許されたガラス張りの会議室でさえ、ブラインドが下ろされたことは一度もないという。雑然としたオフィス空間も故意につくり出されたもの。

ザッポス本社(ラスベガス)

自律性を重んじる企業文化社員が空間をハッキング

ザッポスは、靴・衣料品のeコマース分野のリーディングカンパニー。2009年のアマゾンによる約830億円での買収後も、ラスベガスを拠点に独立して事業を行う。
社員の自律性を最大限に尊重するホラクラシー型の組織を持つ同社は、社員が主体的に制度や働き方をハッキングすることを推奨。その運営思想は、ワークプレイスにも反映され、社員は個人のスペースや空間を自由に飾り付けている。現在は、ラスベガスのテックコミュニティ化を目指し、学校やコワーキングスペースを建設するなど、地域開発にも着手している。



アイテムが所狭しと置かれた、賑やかなワークプレイス。おもちゃ箱をひっくり返したようなこの空間も、全て社員自身の手によるもの。ただ趣味を提示するのではなく、「自分の気持ちを高め、パフォーマンスを向上させる」という観点で、社員個人がクリエイティビティを発揮している。
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山下正太郎 = 監修 フォーブス ジャパン編集部 = 文

この記事は 「Forbes JAPAN No.34 2017年5月号(2017/03/25発売)」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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